【試合を観るだけじゃない! ボールパークを楽しむ秘訣を教えてください!】
――「ボールパーク」とも呼ばれるMLBの球場。今回はその魅力や楽しむためのコツを教えてください。
佐々木 昨年のオールスターゲームを観戦させていただいた際に感じたのが、「音が全然違う!」という点。ミットにボールが入った時の捕球音、バットとボールが当たる時の打球音など、すごく迫力があって「MLBってすごい」と感動しました。
五十嵐 たしかにMLBって“音を楽しめる”んですよね。鳴り物や応援歌があって、みんなで応援する日本の野球観戦も面白いけれど、向こうでは、“ボールパークで観戦しているからこそ聴こえる音”も魅力の1つとして楽しむ文化があって。これって野球を詳しく知らない人にも楽しんでもらうために、非常に大事なことだと思うんです。もちろん「ホームラン打った! スゲェ飛んでる!」とか「メチャクチャ球が速い!」とか。そういった“誰が見ても分かるパワーやスピードのスゴさ”もならではの面白さですね。
――しかもボールパークの楽しみ方は試合を観るだけではありません。
五十嵐 中には駐車場でBBQをやっている人も結構いますね。ビールを飲みつつ肉を焼いて食べて。で、お腹が膨れたら、いざ観戦! みたいな。試合開始前どころか、入場前からエンジョイしまくりで(笑)。
――他にも、観戦する側で日本プロ野球とは違う部分ってありますか?
五十嵐 日本はホーム側とビジター側でスタンドが分かれるじゃないですか? アメリカは違って、基本的にホームのファンで全席埋まるんです。そういう意味では、日本以上に地元のチーム愛が強いと言えます。
佐々木 私もオシャレ感覚で、ニューエラのニューヨーク・ヤンキースのキャップを被ってシアトルの街を歩いていたら、「おいおい! ヤンキースファン?」なんて現地の人に言われてビックリしちゃいました(笑)。
五十嵐 そこで「私はヤンキースファンだし、知ったこっちゃない。格好いいでしょ?」と言い返しちゃっていいんですよ。楽しみ方は人それぞれだし、お互いを尊重しながらも己のスタイルを貫くのがアメリカ流。自分のその時の感情に正直に、かつオープンに。それがボールパークを楽しむ秘訣だと僕は思います。
――佐々木さんはT-モバイル・パークを体験していますが、本場のスタジアムってどんな感じでしたか?
佐々木 球場自体もですが、空がすごく広かったです! それでいてネットが少なかったり、グランドとの距離も近くて、よりダイレクトに迫力を感じられるのも魅力的でした。
五十嵐 そこもMLBならではのポイント。そもそもアメリカの空気自体が、日本とは違うなって思いますよね。景色ももちろん違うし、空の高さ、広さに感動する感覚はすごくわかる! 周囲に高い建造物が無い分、メチャクチャ開放感があるし
佐々木 だからなのか、みんなゆったり試合を楽しんでいますよね。
――ゆったり試合を楽しむのに欠かせないのが食事。日本でも球場グルメなんて言われて人気ですが、本場はやっぱり違いますか?
佐々木 定番のホットドッグはボリューミーですごく美味しかったですし、何より本場の球場で食べるという行為自体に感動しました。ただヘルメット型のプラスチックケースに入ったナチョスを前回食べ損ねちゃったので、次こそは絶対に食べます!
五十嵐 アレね(笑)。やっぱり本場の食べ物って美味しいですよね。アメリカはハンバーガーも美味しいし、今年のオールスターゲームが開催されるのって、テキサス・レンジャーズの本拠地、グローブライフ・フィールドじゃないですか。テキサスといえば牛肉、ステーキ!
佐々木 うわぁ~最高ですね! 食べ物以外にも楽しむポイントってありますか?
五十嵐 ホストチームがイニング間に、ファン参加型ミニイベントを開催して観客を楽しませたり、そういったサービス精神旺盛な部分もMLBならでは。あとは歌を歌えるようにしておくと、より楽しめますよ。
佐々木 オールスターゲームの際にも、7回に球状全体で『Take Me Out to the Ballgame』を歌いました!
五十嵐 MLBでは恒例の光景ですね。その他にも試合が盛り上がるタイミングや得点チャンスの際に、チームごとに決まった応援曲が流れたりするので、その辺も知っておくと楽しいかも。
佐々木 たしかに一体感が生まれますもんね。あ、そういえば4回には『Country Road』も流れました。なぜなんでしょうか?
――それって大谷選手が四球で出塁し、その後、投手の暴投とタッチアップで三塁へと進んだタイミングじゃないですか?
佐々木 そうかもしれないです。
五十嵐 だとしたら、彼が当時所属していたのがエンゼルスだったからかも。あそこではバッティングカウント時によく流れるようですから。要は、先ほど話したチャンス時に流れる曲ってことですね。
佐々木 あぁ、ということは「ランナーをホームベースに帰らせろ!」的な意味合いで流れたんですかね。なるほど! これはしっかりと事前に準備して望まなきゃですね。
五十嵐 今年はテキサス開催ですから。メチャクチャ暑いですしね。僕も現役時に試合で死にかけましたもん。まぁ、当時とは球場も違って今は開閉式の屋根がありますが、日焼け対策は重要。あとは“楽しむ気持ち”。それ以外は何もいりません!
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※2024年6月6日発売「GoodsPress」7月号122-123ページの記事をもとに構成しています
>> 短期集中連載【五十嵐亮太×佐々木久美 わたしを野球に連れていって】
<撮影/早坂直人(Y'sC) ヘアメイク/SHUTARO[五十嵐亮太]、RIKOPIN(MAXSTAR)[佐々木久美]スタイリスト/中西ナオ(中西ナオ事務所)[五十嵐亮太]、鼻先さや(DRAGON FRUIT)[佐々木久美] ライター/富永修朗>
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