その年の“機能面” “デザイン面” “サステナブル面”それぞれにおいて優れた文具に贈られるアワード。今年で33年目を迎える。
<第33回日本文具大賞2024>
【グランプリ】
■人にも環境にもやさしい。そんな未来が描ける絵具
日本理化学工業
「キットパス バイアーティスト(エクル)」715円
パッケージデザインに障がいのあるアーティストの作品を採用したことに加え、販売金額の一部がアーティストに還元されるなど、文具製品が社会的課題にどのように貢献できるかをカタチにした意欲的プロダクト。古くから障がい者雇用に取り組み、誰もが必要とされ役に立って働ける“皆働(かいどう)社会 ”を目指すという高い企業理念も含めての大賞です(髙橋さん)
主成分はお米からとれるライスワックス。窓やガラスなどにも発色良く描けるだけでなく水できれいに消せる、環境にも身体にもやさしい絵具。パッケージは社会福祉法人藤沢育英会アートスペースの障がいのあるアーティストの描いた作品を使用。
<機能部門>
道具の本質とは? それは機能性にほかならない。日々使う文具であれば、“いかに不便を便利に変えてくれるか”が求められるポイント。
【優秀賞】
■整理済みのクリアファイルを、簡単作業でひとつに管理
片山商会
「インデックスクリップ&ファイルジョイント」(880円)
リングファイルの可能性を拡大する、ものづくりのまち・東大阪の企業らしいアイデアに富んだ製品。シンプルな構造ながらありそうでなかったスグレモノ。 名もなき雑務を解消するだけでなく、ユーザーの発想で思わぬ使い方が生まれる可能性を秘めている点に期待(髙橋さん)
見出し及びクリップ機能を発揮するインデックスクリップと、リングファイルの開閉不要で脱着できるファイルジョイント。これで複数のクリアファイルに分かれた書類をひとつのリングファイルで簡単に管理することが叶う。
【優秀賞】
■アルコールに強く、凍結面、水ぬれ面にも細かく書ける
コクヨ
「リサーチラボペン」(396円)
水と混ざりにくく、結露した容器や凍結した容器にも書けるという性能を“研究環境に適したペン”というコンセプトに特化させたアイデアが秀逸。ペン先を細く、小さな文字も書き込みやすくしたプロ仕様は、特定の業種から熱烈な信頼と支持を受けること間違いなし!(髙橋さん)
アルコールに耐性があって水と混ざりにくく速乾性にも優れた特殊インクを採用したペン。ペン先に硬い素材を用いることでマイクロチューブのフタなど、小さな面にも細かい文字が書き込める。インクは赤と黒の2色展開。
【優秀賞】
■ペン先を回転させて、アナタ好みの書き心地にチューン
セーラー万年筆
「TUZU アジャスト 万年筆」(4950円)
気取らず、肩肘張らず使えて、でも万年筆ならではのひと手間も愉しみたい。そんな自由な発想で再設計された新感覚の万年筆。万年筆を知らない世代にも興味を持たせるギミックの面白さ、ポップなクリエイティブに脱帽。多くの人が買いやすい価格設定も好評価の理由(髙橋さん)
新筆記具ブランド、TUZUからリリースされた、利き手を問わずどんな書き方でも快適に使い続けられる万年筆。10度間隔でペン先を回転させてグリップの位置を調整することが可能で、自分に合った書きやすさが見つかる。
【優秀賞】
■握り心地と切れ味を改良し、梱包作業のストレスを解消
プラス
「梱包用テープカッター グリップカット」(1540円)
“グッと握れて、ズバッと切れる!”という売り文句そのままの快適性を実現した良品。手馴染みの良い立体カーブ形状ハンドルは握り心地良く設計され、長短段差をつけた2段刃の切れ味は快適そのもの。日本のモノづくりの良いところが凝縮されたようなプロダクト(髙橋さん)
しっかり握れて、手への負担も軽減するハンドル形状、ズバッと快適に切れる長短2段刃、粘着面が貼りつきにくく、テープの引き出しやセットがスムーズにできるシリコンローラーを搭載し、面倒な梱包作業をも快適に!
■新形状のリング金具で、省スペース&容量アップ!
LIHIT LAB.
「リングファイル<ツイストリング スマートスリム>」(616円)
リングパーツを刷新することで、ほぼ完成かと思われていたリングファイルをもう1ランク進化させた革新的製品。その“細かすぎて伝わらない”機能は、もっと評価されていいはず。書類管理を簡単かつどこまでもスマートにしようとするその企業努力に敬服しました(髙橋さん)
スリムな背幅なのに220枚収容できるスペースパフォーマンスに優れたリングファイル。片手で簡単に開く形状のリング金具を斜めに新設計してファイル左右の空間をなくしたことで、書棚に収容できる冊数の収容量もアップ。