文具コーナーにはその時々のトレンドやお店ならではのチョイスがあって面白い。学生や若い人が多い街にある文具コーナーではルーズリーフの棚が拡充され独立したかと思えば、東京の中心にある老舗の文具店には個性的なノートばかりが並んでいる。大型電気店の中の文具コーナーではあり得ない数の電卓を買うことができるし、小学校が近くにあるコンビニの中に見慣れた学習帳の什器があるところもある。
でも「段ボールのこ ダンちゃん」が売っているのは見たことがない。俺は4本所有している。自分が行くところ各所に1本ずつ置いている。オフィシャルHPにある文章をそのまま引用させてもらおう。
「宅急便をはじめ身近な梱包の主流は段ボール箱です。(中略)上下に刃が付いているのでPPバンドを切り、そのまま開封することが可能です。普通のカッターはダンボールを切るのは苦手。ダンちゃんならばラクラクです。家庭ではもちろん、オフィスでも女性が梱包を開ける機会が増えています。そんな時、ダンちゃんをお役立て下さい。」
我が家では毎日のように段ボールに入れられた荷物が届く。それを開封する時に玄関横の収納扉裏に貼り付けたフックに、持ち手部分にボールチェーンを付けた“ダンちゃん”がぶら下がっているのでそれで封を解く。
以前はフタ付きのものが存在しなかったので、たまに落ちた時に危険を感じることもあった。ということで蓋つきが発売になった時には、願えば叶うのだな、思いは届くのだなと実感できた。
それは冗談にしてもそのくらい皆が使っているということだろう。特に助かるのが先ほど引用した文にもあった通りPPバンドが簡単に切れる点だ。カッターではなかなかそうはいかない。ギザギザのある歯のおかげで切りやすい。そしてたまにやってくる、大きな段ボールを“ダンちゃん”があれば通常サイズまでカットできる。もう欠かせない。それでいて名前がダンちゃん。かわいい。「段ボールのこ ダンちゃん」が、「段ボールの子、ダンちゃん」に思えてくる。意味はわからない。
段ボール開封にまつわる商品が文具店にも見られるようになってきた。あなたの街の文具店にもいつか“ダンちゃん”がやってくるかも。願えば叶うのか。
<写真・文/KREVA 写真(キービジュアル)/藪内 努 ヘアメイク/結城 藍 スタイリスト/藤本大輔(tas) 構成/TOMMY>
※2024年10月4日発売「GoodsPress」11月号119ページの記事をもとに構成しています
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