これが「オーバーサイズ」の正体。 ユニクロで探る“だらしない”と“オシャレ”の境界線

【とりあえずユニクロで。のその先〈PART.3〉】

■そもそも、「オーバーサイズ」が定着したのはなぜだろう?

今や定番となった感のある「オーバーサイズ」コーデ。ビッグシルエットとも言うが、近年のそれは2012年頃、某メンズ誌が誌面を大幅リニューアルした際に、「シティボーイ」という概念とともに広めたものだ。質実剛健なチノパンツや、トラディショナルなボタンダウンシャツといった、“普通”のアイテムも、サイズアップすることで新鮮な着こなしができる。この事実を我々に教えてくれたのである。

▲写真左:&GP編集ワカザワ、写真右:スタイリスト 井上裕介さん/文化服装学院卒業後、3年間のアシスタント業務を経て2006年に独立。カジュアル〜ドレスまで、幅広いスタイリングでメンズファッション誌、ライフスタイル誌、ブランドカタログ、通販カタログなどの紙媒体を中心に活動中

また、このオーバーシルエットには、「肩幅が狭い」「胸板が薄い」「足が貧相」といった身体的な悩みをカバーする効果もあり、着るだけでファッション巧者に見せてくれる点が普及の要因となった。

しかし、あれから10年以上が経ち、シティボーイもすっかり“おじさん世代”に突入。あの頃は“あえて”のオーバーサイズだったはずが、加齢とともに変化した体型を隠す“マストアイテム”になってしまった人も少なくないだろう。

一方で、少しでも間違えるとだらしなく子どもっぽく見えてしまう恐れもある。要するに、大人がオーバーサイズを着こなすには、適切なバランスが非常に難しいのだ。では、大人が上手に取り入れるにはどうすれば良いのだろうか?

■“だらしない”と“オシャレ”の境界線を探るための5つのポイント

そこで、知りたいのは“だらしない”と“オシャレ”の境界線。スタイリストの井上さんもこう話す。

「やみくもにサイズアップすれば良いというワケではありません。最も重要なポイントは“やりすぎないこと”。これは、主役となるアイテムのサイズ選びやシルエットだけでなく、合わせる他アイテムとのバランス感も含まれます」(井上さん)

先述した、いわゆる“普通”のアイテムも、サイズアップすることで新鮮な着こなしができるというオーバーサイズのメリットを意識しつつ、“やりすぎないこと”という現代的なポイントも考慮したアイテム選びが大切だ。とはいえ、難しく考えなくて大丈夫。我々にはユニクロという強い味方がいる。

▲左の「エアリズムコットンオーバーサイズTシャツ/5分袖」(1990円)がオーバーサイズ、右の「クルーネックTシャツ」(1500円)がレギュラーサイズ。身幅、肩幅、袖丈などパッと見にも違いは明らか。着用するとその差がさらにハッキリ分かる

実際、ユニクロのラインアップには、最初からオーバーサイズでの着こなしを前提としたアイテムが多く揃い、根強い人気を博している。たとえばTシャツは、肩幅と身幅を広げ、着丈は短めのスクエアシルエットで、袖丈を長めに設計。これにより、体のラインをナチュラルに隠しつつ、バランス良く見せてくれるのだ。

となれば、取り入れない手はない。そこで、ここからはユニクロのアイテムのみを活用し、大人のためのオーバーサイズコーデを提案する。だらしなさとオシャレの境界線を見極めるための5つのポイントを挙げていくので、ぜひ参考にしてほしい。

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