3. アドベンチャーの王者「R 1300 GS Adventure」も自動変速に
BMWの“ASA”を初搭載したのが「R 1300 GS Adventure」。世界的に人気の高いアドベンチャーマシンの中でも王者と称されるバイクです。エンジンはBMWの代名詞ともいえる水平対向の2気筒。オフロード走行も可能で、タンクは30Lの大容量と、大陸を横断するような長距離ライドに出かけるならこのマシンといえるような1台です。
“ASA”は自動で変速されるDモードと、ライダーが変速操作をするMモードが選べて、変速操作は従来のバイクと同じように左足側のレバーで行います。“ASA”モデルにはクラッチレバーは存在しないので、AT限定の大型二輪免許でも運転可能。変速レバーは実は電気的なスイッチなのですが、従来のシフトレバーのような操作感になっている点も好感が持てます。
4. レーサーレプリカ世代垂涎のヤマハ「XSR900 GP」
自動変速とは別に、今年前半に話題となったのがヤマハ「XSR900 GP」です。80年代の世界GPで活躍したレーシングマシンをオマージュしたスタイルが特徴で、その頃のレーサーレプリカに熱くなっていた世代を中心に人気を集め、年間計画台数をわずか1ヶ月で超えるというヒットモデルとなりました。
搭載されるエンジンは前出の「MT-09」と同じ3気筒で、運動性能の高さもポイント。前傾姿勢で車体との一体感も高く、ワインディングを走るのが楽しいマシンになっています。カウルのステーやスクリーンなど、ライダーの視界に入るパーツもレーサーの雰囲気を持っているので、走りながらも気分が高まります。
5. 66年の歴史に幕を下ろした「スーパーカブ 50」
最後に紹介しておきたいのがホンダ「スーパーカブ 50」。1958年に初代モデルが登場して以来、シリーズ累計1億台以上を販売した文字通りの“世界一売れたバイク”ですが、50ccモデルは今年発売のファイナルエディションを持って生産を終了することになりました。
このファイナルエディションは販売計画台数2000台に対して、1万2000台を超える受注が集まったのだとか。それだけ多くの支持を集めていたことが伝わってきます。といっても、同シリーズの110や125ccモデルは今後も販売されるので、スーパーカブの歴史はまだまだ続くので心配ありません。
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注目の新技術を搭載したモデルなどが登場する一方で、長い歴史に幕を下ろすモデルもあった2024年。来年もバイク好きがワクワクするモデルが登場することを願ってやみません。
<文/増谷茂樹>
増谷茂樹|編集プロダクションやモノ系雑誌の編集部などを経て、フリーランスのライターに。クルマ、バイク、自転車など、タイヤの付いている乗り物が好物。専門的な情報をできるだけ分かりやすく書くことを信条に、さまざまな雑誌やWebメディアに寄稿している。
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