3. 「GPHG」で大きな話題を呼んだレイモンド・ウェイルの新生ドレスウォッチ
RAYMOND WEIL(レイモンド ウェイル)
「ミレジム 35mm」28万6000円
世界中の時計関係者やジャーナリストの投票で決定される、時計界の最高権威「ジュネーブ時計グランプリ(GPHG)」で注目を集めたレイモンド ウェイルの「ミレジム」。
その最大の特徴は、時分秒がそれぞれ異なるインデックスで読み取れる「セクターダイヤル」だ。1930年代に流行したこのデザインに、シャープな針を組み合わせることで、レトロさとモダンさを絶妙に融合させている。
ケース径は35mmと小径にまとめられ、レトロな雰囲気を強調。一方で、シルバーダイヤルとグレーストラップによるモノトーン配色が洗練された印象を引き立てている。デザインは普遍的で、時代を超えて愛用できる魅力を備えたこの時計は、ミドルレンジの価格帯とは思えない完成度だ。
レイモンド ウェイルらしい伝統と革新の融合が詰まった「ミレジム」は、クラシカルな装いにもモダンなスタイルにもマッチし、時計好きの心をくすぐる逸品といえるだろう。
>> RAYMOND WEIL
4. “フォージドカーボン”で魅せる、価格以上の価値を実現するティソの新作
TISSOT(ティソ)
「PRX パワーマティック 80 40mm カーボン」15万4000円
時計の価格は、使用する素材やムーブメントのスペックと深い相関関係がある。しかし、その常識を覆すのがティソ「PRX パワーマティック 80 カーボン」だ。PRXは1970年代に誕生したスポーツウォッチを現代的にブラッシュアップしたシリーズ。
そのムーブメントである「パワーマティック 80」は、最長80時間というロングパワーリザーブを実現し、非磁性素材であるシリコン製ヒゲゼンマイを採用することで高い耐磁性能も備えている。さらにケースには軽量かつ頑丈なフォージドカーボンを採用し、独特のマーブル模様と質感時計に迫力を加える。
歴史的デザイン、優秀なムーブメント、特殊素材という3拍子が揃いつつ、この価格帯を実現できるのは、ティソが世界最大級の時計ブランドであることに由来する。
スケールメリットを生かした製品だからこそ、価格以上の価値を感じさせる一本に仕上がっているのだ。
>> TISSOT
5. 控えめだからこそ映える。チューダー「1926」の洗練デザイン
TUDOR(チューダー)
「1926」26万9500円(※)
タフウォッチの名門として高い人気を誇るチューダー。F1チームやヨットチームとのコラボレーションや、高性能ムーブメントの搭載で常に注目を集めているが、スポーツ系だけではなく、ドレスウォッチの分野でも秀作が揃う。
本モデルは、ブランドの創設年である1926年にオマージュを捧げたもので、シンプルかつ端正なデザインが魅力だ。センターセコンドとカレンダーという普遍的な組み合わせが、タイムレスな美しさを感じさせる。
ユニークなポイントは、その豊富なサイズ展開にある。28mm、36mm、39mm、41mmの4サイズをラインナップし、好みに合わせて選べる自由度が高い。
中でも筆者のおすすめは36mm。腕にしっくりと馴染むサイズ感に加え、ケース厚9.2mmと非常に薄いため、シャツの袖口とも干渉しにくく、日常使いにも最適だ。
シンプルで実用性の高い「1926」は、デザインと機能性のバランスが絶妙な一本と言える。
※2025年1月1日より28万1600円となります
>> TUDOR
<画像提供/SEIKO、RAYMOND WEIL、TISSOT、TUDOR>
監修・執筆/篠田哲生
男性誌の編集者を経て独立。コンプリケーションウォッチからカジュアルモデルまで、多彩なジャンルに造詣が深く、専門誌からファッション誌まで幅広い媒体で執筆。時計学校を修了した実践派でもあり、時計関連の講演も行う。
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