3. カワサキ「KLX230SM」
新しい「KLX」シリーズの中で、個人的に最も注目しているのが「KLX230SM」です。オフロード向けの車体に前後17インチのロードタイヤを履かせた仕様は、かつては“モタード”と呼ばれ、近年は“スーパーモト”と呼ばれています。ルーツはオンロードとオフロードを組み合わせたレースにありますが、スリムで軽量な車体にグリップの良いタイヤの組み合わせは街中や狭い峠道なんかでキビキビ走るにはピッタリのパッケージなのです。
「KLX230SM」は、2023年にもわずか1ヶ月程度の短い期間でしたが国内販売されていて、そのときに試乗した印象もかなり良いものでした。特に軽量な車体による軽快感と、倒立フォークによるフロントまわりの安心感の高さが印象的でしたが、それは新型にも受け継がれています。発売日は1月13日の予定なので、もう間もなくです。
4. スズキ「DR-Z4SM」
モタード(スーパーモト)タイプの「DR-Z4SM」も期待度が高いマシン。基本設計は前述の「DR-Z4S」と共通ですが、前後17インチのハイグリップタイヤを履き、足回りは専用のセッティングが施されているようです。シート高は890mmと30mm低くなっています。
スズキのモタードマシンというと、2000年代のブームの頃に発売された「DR-Z400SM」を記憶している人も少なくないでしょう。かなり高い走行性能を持ったマシンでしたが、「DR-Z4SM」はその後継モデル。電子制御が充実しているのに加えて、スタイルもプロジェクタータイプのフロントライトをはじめ、かなり都会的に進化している点も注目です。個人的には、このスタイルはオフロードよりも舗装路のほうが似合うように感じています。
5. ホンダ「スーパーカブ110」
昨年、50ccモデルはファイナルエディションをもって生産終了することがアナウンスされた「スーパーカブ」シリーズですが、110ccと125ccは継続販売されています。このマシンをピックアップしたのは、4月から始まる新基準原付に適合したモデルが登場することが予想されるから。新基準原付は、排気量が125cc以下で最高出力が4kW(5.4PS)以下であることが条件ですが、基準策定にあたってのテストでは「スーパーカブ110」も使用されていました。
ほかにも、同じホンダの「CB125R」や「PCX」、「リード125」などもテストされていましたが、やはり期待度が高いのは「スーパーカブ110」ではないでしょうか。新基準原付は新たに規制対応するためにベースモデルよりも価格が上がることが予想されますが、「スーパーカブ110」は価格が30万2500円とリーズナブルであることも期待したい理由です。
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バイクの中でも少しマニアックな存在であるオフロードやモタードといったカテゴリー。ただ、近年はバイクで行くキャンプツーリングなどの人気が高まっていることもあって注目しているライダーも増えています。1980年代のバイクブームの頃には、オフロード車も車種が充実していたことを考えると、こういうカテゴリーが盛り上がることがバイク業界の底力となるのかもしれません。エントリー層の入口となる原付はいわずもがな。底力の厚くなる2025年であることを願っています。
<文/増谷茂樹>
増谷茂樹|編集プロダクションやモノ系雑誌の編集部などを経て、フリーランスのライターに。クルマ、バイク、自転車など、タイヤの付いている乗り物が好物。専門的な情報をできるだけ分かりやすく書くことを信条に、さまざまな雑誌やWebメディアに寄稿している。
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