dexas「Slimcase 2」【KREVAの文具PRESS】

▲米国はテキサス州ダラスにて設計・製造されており、軽くて丈夫

子供の頃の自分は片付けが大の苦手だった。姉と一つの机に椅子を二つ並べて半分ずつでシェアしていた頃は、綺麗な左側と物が積み上げられた右側で自然な姉弟の壁が出来上がっていた。

1人部屋を与えられてもそれは変わらず。とにかくモノだらけの部屋だったが、学習机の小さい方の引き出しに備え付けられたトレイには、そこだけが聖域かのように『うちのタマ知りませんか?』の消しゴム6個ほどが未開封で常に綺麗に並べてあった。

駅の近くにあった所謂ファンシーショップというところでカラフルな商品を眺めるのが好きだった。時が経ち高校生、大学生くらいになってくるとSONY PLAZA(現 PLAZA)等にある見た事もないサインペンやノートを好んで購入するようになっていた。そしてそれは機能性よりもデザインやその発色の良さに魅かれていたのだろうと思う。

数年前の話。東中野にある本屋の文具コーナーの棚の下スペースにSALEと書かれた段ボールが置いてあった。レコード屋で培ったディガー精神は消える事なく根付いているので、当然のようにしゃがみ込んで中を物色してみる。すると表紙だけでなく、全ページが綺麗な黄緑色をしたノートを発見し購入した。後に詳しく見てみるとそれはイタリア製のモノだった。

そして2023年初頭、いつも通りあてもなく文具コーナー散策を楽しんでいると自分の目に飛び込んできた商品があった。近づく前から購入を決意させるほどの発色の良い蛍光のグリーン、イエロー、オレンジ。表面には国旗と共にMADE IN USAの文字が。強ぇ。やっぱりこの思い切りとラフでタフなところがアメリカ製の良さなのか。

「dexas Slimcase 2」。書類やペン、ノートなどを入れられるストレージのついたクリップボード。素晴らしすぎる。

自分はスタジオで作詞をする際に、ストックしてあるA4サイズのコピー紙またはその裏紙にかくというのが第一選択肢、というかほとんど。油性のサインペンの裏写りを考慮して、同時にクリップボードを使う事が多かったのだが、これならそのクリップボードと裏紙の収納がひとつにまとまる! まさに神(紙)アイテム! と大興奮で全色購入しそうになったのだが、使用環境全体のことを考えて、そこに合うであろうオレンジのみをゲットするにとどめた。

当時はSlimcase2を手にカルテを見ながら話し合う男女医師のシールが貼ってあったが、脳内ではスピード違反の車を路肩に停めさせたバイクの警察官ならぬポリスマンが、シートの下からこのクリップボードを取り出して近づいてくる画が浮かんだ。ケミカル味の強いガムを噛むのだろう。

>> 連載【KREVAの文具PRESS】

※2024年11月6日発売「GoodsPress」1・2月合併号123ページの記事をもとに構成しています

<写真・文/KREVA 写真(キービジュアル)/藪内 努 ヘアメイク/結城 藍 スタイリスト/藤本大輔(tas) 構成/TOMMY>

 

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