安蔵:数多くの製品が発表された10月に比べ、11月はいくぶん落ち着いた感じになりました。それでも注目製品がいくつか出てきていますね。まずは、サッカー日本代表の長友佑都選手などでも有名な「体幹トレーニング」が手軽にできるという、パナソニックの「コアトレチェア」です。2000年にパナソニック電工(当時・松下電工)が発売して人気となった「ジョーバシリーズ」にも似たコンセプトですね。
奈津子:ジョーバが発売された2000年当時に私は11歳だったんですが、裕福な友人の家に光り輝くジョーバがあって、遊びに行くたびに使わせてもらってました! このジョーバは、ピーク時には年間13万台売れたそうですね。
安蔵:今回のターゲット層は、体幹の衰えやすい40代~50代に向け、「トレーニング家電」という新しいジャンルの開拓へと挑んだとのことですね。
奈津子:「座ってバランスを取るだけで、手軽に体幹を鍛えられる体幹トレーニング機器」とのことでしたが、本当に効果はあるの?……ということで、実際に発表会に行って体験してきました。最初に体幹チェックをしてから、コアトレチェアに乗ります。音声ガイドに従って姿勢を整えていくだけなので、その点は簡単ですね。発表会場に人が多くてざわついていたのもありますが、もうちょっと音声が大きくなると、テレビを見ながら運動もしやすいかなと思いました。
安蔵:ちゃんと効いている感じはありました?
奈津子:体幹トレーニングの第一人者であるプロトレーナーの木場克己氏が監修したトレーニングコースを搭載しているとのことで、しっかりといろいろな筋肉に負荷がかかってくるのを感じました。こんなに楽をして体幹が鍛えられるというのはいいですね。
安蔵:予想実勢価格は30万円前後と、なかなかのお値段ですね。
奈津子:でも、これで健康が手に入るなら高くないかもしれませんね。トレーニングをしないときはリビングチェアとしても使えるよう、インテリアに溶け込みそうなデザインを心がけたそうです。
安蔵:最近は「健康寿命」というという言葉が使われるようになりました。健康上の問題がない状態で日常生活を送れる期間のことを指していて、これは平均寿命に比べて男性は約9年、女性は約13年も短いのだそうです(厚生労働省「平成22年完全生命表」より)。
奈津子:女性の方が平均寿命が長いのもありますけど、健康寿命との差は大きいんですね。40代、50代でしたら先はまだまだ長いですから、これなら購入時に奥さんのことも説得しやすいかもしれないですね。
■割り切って超軽量化を図ったシャープ「RACTIVE Air」
安蔵:続いては、シャープのコードレススティック掃除機「RACTIVE Air」です。超軽量化を図ったことで、フロア掃除だけでなくエアコンの上部とか掃除しにくい箇所をラクラク掃除できるというのがコンセプトです。
奈津子:これは発表会で初めて見たとき、久しぶりに血が騒ぎました(笑)。航空機などにも使用されている、軽さと強さを兼ね備えた「ドライカーボン」という素材を業界で初めて採用したということで、本体の重さは約1.5kg! 想像を遥かに超える軽さでした。
安蔵:RACTIVE Airはシャープの「FREEDシリーズ」と同じように「セパレート充電スタイル」(本体内ではなく急速充電器で充電するスタイル)なので、どこにでもしまいやすいというのが特徴なんですが、ユニークなのがテーブルやイスなどに気軽に立てかけられる「ちょいかけフック」ですね。
奈津子:あれはいいですね! コードレススティック掃除機って「収納」と「充電」が大きな課題じゃないですか。
安蔵:そうそう。そうなんですよ。うまく立てかけるなどして収納ができて、充電もスマートにできる掃除機って実は少ないんです。ダイソンもスマートに収納・充電したければ壁掛け金具を使う必要がある。つまり壁に穴を空ける必要がありますからね。
奈津子:ちょいかけフックなら、カウンターテーブルの端っこに引っかけておくみたいな使い方もできそうですし、いろいろな収納方法がありそうです。
安蔵:充電は充電器で行うスタイルですから、そこはある意味一手間かかりますけど、バッテリーを追加すれば掃除時間(標準モードで約30分、強モードで約8分)を延ばせるのも魅力です。
奈津子:本体が自立する「マジックバランス」とか「赤外線ゴミセンサー」とか、上位モデル(FREEDシリーズ)にある機能で省かれているものもありますね。でも軽いですし、通常のノズルに加えて「はたきノズル」と「すき間ノズル」が付属しているのは魅力です。エアコンの上や冷蔵庫の上、ソファのすき間など、今まで “見てみぬフリをしていた部分”にちゃんとアプローチするクセが付きそうですね。
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