安蔵:最後に紹介するのは中小型冷蔵庫です。
奈津子:シャープとアクアから、おしゃれなモデルが出てきましたね。
安蔵:アクアはステンレス素材、シャープはガラスドアという違いがありますが、各メーカーがしのぎを削る400L以上の大容量タイプではなく、夫婦世帯や新生活を始める社会人などにも便利な中小型を狙いにきました。
奈津子:アクアのデザインは、海外ドラマや映画に出てきそうな雰囲気ですね。中身は他メーカーのハイエンドモデルのような突出した機能はないですが、収納しやすくて日常的に使いやすそうに感じます。自動製氷機能付きのモデルは、あのサイズで製氷部分が取り外してきれいに掃除できるのがうれしい点です。
安蔵:やっぱり冷蔵庫って存在感がありますから、デザインの好みで選べるようになるといいですよね。
奈津子:本当にそう思います。冷蔵庫ってキッチンだけでなく、実は本当に部屋の雰囲気を左右しますもんね。
安蔵:伊藤嘉明社長の時代に、“冷蔵機能付きディスプレイ”の「AQUA DIGI」が発表されましたが、こちらも年明けぐらいには発表できそうだという情報も得ました。
奈津子:そちらも期待ですね! 私も伊藤社長の時代に熊谷事業所で取材させていただきましたが、「新しいことを仕掛けていこう」という姿勢はとても興味深いですし、素敵だと思います。
安蔵:アクアは“海外テイスト”が魅力ですが、シャープの方はいわゆる「ジャパニーズデザイン」ですね。もちろん、その中でも洗練された雰囲気を出していますが。
奈津子:ガラスドアは指紋が付きやすいので賛否両論はありますけど、個人的にはやっぱり大好きですね。洗練されたデザインで高機能な冷蔵庫が、ファミリー向けだけでなく、一人暮らしや夫婦2人世帯にも手が出しやすい大きさ、価格で発売されたことは注目だと思います。特に単身者向けの「SJ-GD14C」にそれを感じました。
安蔵:転勤などで引っ越す場合に右開きと左開きが変えられるといいのですが、大容量モデルの「SJ-GW35C」にはシャープ独自の「どっちもドア」がついていていいですね。SJ-GD14Cはドアを簡単に付け替えられる「つけかえどっちもドア」が秀逸です。
奈津子:間取りにあわせて両面からドアが開けられるという目の付けどころは、本当に消費者のことをよく考えていると思います。
安蔵:GJ-GW35Cはさらに、野菜に直接冷気を当てない高湿シールド構造を採用した「シャキット野菜室」も採用していますね。展示されていた野菜を見ても、従来の野菜室との水分保持の違いは歴然でした。
奈津子:野菜室は炭酸ガスを増やして野菜を“眠らせる”日立の「スリープ野菜室」や、光合成を促進して葉物野菜のビタミンCを増やす三菱電機の「朝どれ野菜室」などと比べるとシンプルですが、やっぱり中型サイズでそういう配慮はうれしいですよね。
安蔵:そうですね。金額的には大容量冷蔵庫の方が利益は出るんでしょうけど、数はやはり中小型モデルの方が多い。そういう意味では、今後中小型冷蔵庫がホットになる可能性は高いですね。
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(取材・文/安蔵靖志 奈津子)
ビジネス・IT系出版社で編集記者を務めた後、フリーランスに。総合情報サイト「日経トレンディネット」、「NIKKEI STYLE」などで執筆中。近著は「予算10万円以内! 本気で原音を楽しむハイレゾオーディオ」(秀和システム)。KBCラジオを中心に全国6放送局でネットしているラジオ番組『キャイ~ンの家電ソムリエ』にも出演中。
ドラマ、CMの出演多数。「家電アドバイザー」資格を取得し“家電女優”として雑誌、webメディアなど活動のフィールドを広げて活躍中。TOKYO FM「Skyrocket Company」レギュラー出演中(火曜18時〜)。instagramは 「natsuko_kaden」、Twitter「natsuko_twins」