以前(といってもだいぶ昔の話ですが)は、スポーツバイクを買う場合、フレームやハンドル、ホイールなどのパーツ類、コンポは別々に買うのが普通でした。これらをそれぞれ選んで組み立てるので、買うというよりもバイクを作るといった感じです。
しかし今は、完成車が主流。パーツ類が装着された状態で自転車が購入できるので、あまりコンポについて考えない人も多いように思います。とはいえ、完成車についているコンポのことを知っていれば、なぜ価格が違うのか、好みに合うのはどれなのか、なども分かるようになってきます。
■驚異の電動コンポ「デュラエース」
ということで、SHIMANO(シマノ)のコンポーネントについて解説していきたいと思います。
まずは最上級コンポ「デュラエース」から。世界のトップライダーにも愛用され、その耐久性、スムーズな操作、そして軽さのアドバンテージは、ツール・ド・フランスで数えきれないほどの勝利を挙げています。
電動コンポとは、ケーブルを引っぱって変速する機械式と違い、バッテリーとスイッチによって変速機を動かすシステムです。2009年の登場時点ですでに、バッテリー容量や防水などへの対策は万全。すぐに多くのトップチームでも導入されることになりました。
続く2番目のグレードは「アルテグラ」。セカンドグレードとはいえ、国内外のトップチームでも使用されているなど、性能は折り紙つき。またアルテグラにも電動シフトのDi2がラインナップされていて、価格的にも選択の幅が広がっています。そして「105(イチマルゴ)」→「ティアグラ」→「ソラ」と続きます。
価格的にはどれくらいの差があるのか、デュラエースからソラまでのクランクで比べてみましょう(※あくまで目安です)。
・デュラエース/約57000円
・アルテグラ/約28000円
・105/約16000円
・ティアグラ/約13000円
・ソラ/約11000円
デュラエースだけ極端に価格が違いますが、それだけ性能、軽さなど、他のグレードに差のある最上級コンポと言えるでしょう。
「よくレースに出場するなら105はついていたほうがいい」なんて言われますが、性能的な部分ももちろんあるのですが、もっとも大きなポイントはリアのギアの数です。デュラエース、アルテグラ、105は11速、それ以外は10速になっているためです。
現在、SHIMANOや、それ以外のホイールブランドが11速対応。そのためレースに出場して、コースに合わせてホイールを変えることが多いライダーは、同じ11速のホイールだと交換がスムーズに行えます。都合がいいんですね。いろいろなホイールを使用してみたいというのであれば、105以上のグレードが最適だと言えます。
ただ、レースに出場しないのであれば、ティアグラやソラでも十分。全く問題ありません。グレードによって、軽さや操作感に違いはありますが、そこはSIMANO。その差は少なく、どれも「良い」というのが正直なところです。
このようにグレードには、性能や価格の違いではなく、用途によっても選びどころがあります。完成車を購入するときには、どんなグレードのコンポがついているかを見ることで、「上級者向けの自転車だ」「コスパがいい」などが判断できると思います。
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(取材・文/今 雄飛)
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