初心者でも扱えるガスカートリッジ式
バーナーの中でも最も一般的なのがガスカートリッジ式だ。初心者でも扱える基本中の基本といっていいだろう。最近のガスカートリッジ式バーナーは、大きさから火力までさまざまな種類が発売されている。選ぶ際の最重要ポイントは、キャンプや登山といった目的から考えること。
また、カートリッジにはアウトドア用(OD缶)とコンビニでも手に入るカセットボンベ(CB缶)がある。ここでは強力で高耐圧性、コンパクトが特徴のOD缶に絞って紹介。CB缶が悪いというわけではなく、燃料が入手しやすく、手軽に扱える利点もある。手軽さ重視ならCB缶を選ぶのもアリだが、キャンプ気分を高めるためにも、OD缶にトライするのもいいだろう。
さっそく、編集部がお勧めしたいガスバーナーを紹介しよう。ここではひとり(ソロ)で使う小型タイプから、ファミリーやグループに適したモデルを厳選。特徴がわかるように5段階評価で「★」マークを付けてあるので参考にして欲しい。また、スペックにある「出力」は火力の強さを表す。
【1】軽い!小さい!装備を軽くするなら
SOTO/マイクロレギュレーターストーブ ウインドマスター SOD-310
[参考価格]
6600円+税
[出力]
2800kcal/h
[重量]
67g(バーナー+五徳)
[火力]
★★★★☆
[風への強さ]
★★★★☆
[調理しやすさ]
★★★☆☆
[収納性]
★★★★★
風と寒さへの強さが特長のシングルバーナー。強風でも炎が流れず、強い火力をコッヘルにあて続ける。五徳は着脱式。軽量装備にしたいなら、軽くて小さいこのモデルは最適だ。別売で、より安定した4本脚もある。
【2】「お湯を素早く沸かす」なら最強・手軽なバーナー
ジェットボイル/SUMO
※画像は前モデル
[価格]
1万9000円+税
[出力]
1512kcal/h
[重量]
520g(カートリッジ除く)
[火力]
★★★☆☆
[風への強さ]
★★★★★
[調理しやすさ]
★★☆☆☆
[収納性]
★★★★☆
1.8L(調理容量は1.25L)の保温クッカーと熱効率の高いストーブのセット。クッカー側面にネオプレン製カバーが付いているので、調理中でも素手で扱える。“お湯”を素早く沸かすことを考えて作られている。麺を茹でる、レトルトを温めるといった作業に向いている。
【3】風に強く、調理もしやすいソロ向け本格派
プリムス/イータスパイダー
[価格]
1万5000円前後+税
[出力]
1900kcal/h
[重量]
665g
[火力]
★★★☆☆
[風への強さ]
★★★★★
[調理しやすさ]
★★★★☆
[収納性]
★★★☆☆
1Lの専用ポット付きバーナーシステム。風防によってロスなく炎を使える。風防内側には磁石が備えられており、バーナーをしっかりと固定可能だ。付属のクッカーは口が広いので、湯沸かしだけでなく調理もしやすい。ひとりはもちろん、2〜3人の調理にも対応可能。
【4】調理ができるシングルバーナー
スノーピーク/ギガパワープレートバーナーLI
[価格]
1万7800円+税
[出力]
3000kcal/h
[重量]
2700g
[火力]
★★★★★
[風への強さ]
★★★★☆
[調理しやすさ]
★★★★★
[収納性]
★★☆☆☆
卓上用の大型シングルバーナー。強力な火力を誇り、フラットな天面はまるで家庭用コンロのよう。五徳を外せば、掃除も簡単だ。ガスカートリッジを倒立させて使う独自の“液出し”システムを採用し、効率的に燃料を使える点もうれしい。
【5】ファミリー、グループ向けのツーバーナー
コールマン/パワーハウスLP ツーバーナーストーブ Ⅱ
[価格]
1万1000円+税
[出力]
3500kcal/h×2
[重量]
4200g
[火力]
★★★★★
[風への強さ]
★★★★☆
[調理しやすさ]
★★★★★
[収納性]
★★☆☆☆
定番ツーバーナーモデル。大型の風防が悪天候のなかでも強い火力を維持してくれる。点火や火力調整用ダイヤルを前面に備え、初心者でも使いやすい。キャンプ場でも調理を楽しみたいなら、やはりツーバーナーは便利だ。
【まとめ】目的を決めてからバーナーを選ぶ
これら5つのバーナーを比較してみて意外だったのが、火力だ。大きいものは強火力であることは容易に想像できるが、小さいからといって火力が弱いわけではないことが、SOTOの「ウインドマスター」を見ても分かる。
そして火の出口(火口)の形状もかなり重要だ。五徳のサイズとも関係してくるが、家庭用コンロのように火が広がるタイプのスノーピーク「ギガパワープレートバーナー」やコールマン「パワーハウスLP」は、本体自体も大きく、フライパンや大きな鍋で調理がしやすいようになっている。まさにキャンプ向きといえるだろう。
また、短時間での湯沸かしが売りのジェットボイル「SUMO」やプリムス「イータスパイダー」は、独自の形状で燃料を効率良く使えるよう工夫されていることが分かる。高効率は燃料消費を抑え、結果的に荷物(ガスカートリッジ)を減らすことになる。これは、軽量コンパクトにまとめたい時に重要なポイントとなる。
【サイズ比較表】
最も小さい「ウインドマスター」は、登山向けという意味ではなく、極力荷物を小さくしたいという人向けだ。「ジェットボイル」と「イータスパイダー」は、縦走など長期登山の場合は厳しいかもしれないが、登山時でもテントで1~2泊程度や途中山小屋泊を入れるのであれば、このぐらいの荷物も苦にはならないはずだ。
下のふたつは、当然だがオートキャンプ向けになる。どれだけの量や種類の料理を作るかが、シングルバーナーにするかツーバーナーにするかの決め手になるだろう。
今回紹介した5つのモデルは、どれも何かに特化したものばかり。まずは自分の目的や使用シーンを明確にしてから探し始めよう。
<文/エンドウヒデカズ>
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