■Point 1「ハンギング」
▼ポケットをカラにしてサイズの合ったハンガーを使う
スーツはハンガーに掛けておくのが基本。その際、ポケットをカラにしておくことを忘れずに。物を入れたままだとジャケットの型崩れの原因となります。そしてハンガーは、肩幅のサイズの合った、前肩で厚みのあるハンガーを使用することも大事です。またプラスチック製よりも木製ハンガーのほうがベター。これは木が呼吸することで、多少の湿気を取り除いてくれるためです。
▼パンツはボトムハンガーにかける
パンツはボトムハンガーを利用することで、クリース(折り目)を保ちシワを防げます。生地のびに配慮して裾は下向きでOKですが、裾を上にすると重みでシワとり効果を狙うことも可能。ダブルの裾の場合は、ハンガーのはさみシワがつきやすいので下向きにするなど、パンツの形や状態にあわせて使い分けるといいでしょう。
■Point 2「ブラッシング」
▼毎日のブラッシングで汚れを落とす
1日着用したスーツには目に見えないホコリや汚れが付いているもの。これらはスーツの劣化を早めると同時に、ニオイの原因にもなります。毎日のブラッシングでしっかり汚れを落とすことが、スーツを長持ちさせる秘訣です。生地の目に詰まったホコリを専用ブラシで除去すると、生地がふんわり膨らんで、ウール独特の光沢も出てきます。
スーツをハンガーに掛けて、襟→肩→裾へ向かって軽くたたきながらホコリを浮かせます。その後、再度上から下へと約20cm間隔で手首を回転させながら、細かくブラッシングしていくのがコツです。ホコリの溜まりやすい縫い目は特に丁寧に、ラペルの裏やパンツの裾の折り返し部分なども忘れずに。
■Point 3「クロージング」
▼湿気はスーツの大敵! 半日以上は乾燥させる
ブラッシング後は、風通しのよいところに陰干しするのが◎。水分はカビやニオイ、劣化の原因になります。汗をかく今の時期は、半日以上しっかり乾燥させることが肝心です。
またクリーニングから戻ってきたスーツは、かけてあるビニールを外して収納してください。ビニールは風通しが悪く、湿気が溜まりやすいので適していません。ホコリが気になる場合は不織布のカバーをかけて保管し、月に一度はクローゼットから出して風通しの良い場所で休ませましょう。
■Point 4「クリーニング」
▼クリーニングに出すのは1シーズンに1回が理想
実はクリーニングはできるだけ少ない方がよく、1シーズンに1回程度が理想です。クリーニングに出すと光沢感のもととなる動物性の脂が取れてしまったり、生地が劣化して風合いが損なわれたりする可能性があるためです。色変わりを防ぐため、上下一緒にクリーニングに出しましょう。また、スーツはドライクリーニングが基本ですが、汗などの水溶性の汚れには、実は水洗いの方が効果的。信頼できるクリーニング店なら水洗いもオススメです。
▼大事なスーツは技術の高いクリーニング店へ
クリーニング店の技術には差があるため、大切なスーツは信頼できる店舗に出したいところ。そんな要望に応えて、クリーニングの受付を行っているアパレルショップもあります。スーツに強い「ニューヨーカー」もそのひとつ。提携している「クリーニングコンシェルジュ・テラマエ」は、工業メーカーと共同開発したオリジナルの専用プレス機を備え、最高レベルのシルエット復元技術・しみぬき技術を持つクリーニング店。糊のきかせ具合やプレスのかけ方を調整し、1着ずつ丁寧に洗い上げる一客洗いサービスは、ユーザーの好みに合わせたオーダーメイドの仕上がりを実現します。特に長期保管する場合などは、こういったハイレベルなクリーニングサービスを利用するのもいいでしょう。
(取材・撮影協力/ニューヨーカー)
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(取材・文/津田昌宏 写真/伊藤恵一)
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