■そもそも“ダッチオーブン”とは?
ダッチオーブンは素材全体に鋳鉄(ちゅうてつ)を使用している鍋で、食材を入れても温度が下がりづらいのが特長です。また、蓋も同じ鋳鉄製のため、上に炭火を乗せることが可能。上下からの熱で、食材の芯までしっかり火を通すことができます。鋳鉄は保温製があるので、出来上がった料理の温かさをキープできるのも嬉しいところ。高温で美味しさを封じ込めることができます。しかし、一般的なダッチオーブンは軽いものでも5kg以上、大きいサイズだと8kg以上と、全体的に“重い”調理器具です。
また使用する前には、鍋を加熱して錆び止めの工業用ワックスを焼き切り、表面に油をコーティングする“シーズニング”という作業を行なうのが一般的。購入してすぐに使用できるわけではありません。
使用したあとも、きちんと乾燥させたり、油を塗ったりしなければ錆びやすくなるので、マメなお手入れが必要な道具です。しかし、頑丈なつくりなので、きちんとケアをすればずっと使える、“一生モノ”の調理器具となります。
■両手で収まるコンパクトサイズ
今回、試した商品はロッジ(LODGE)社の「サービングポット 1qt」。qtとはクォートの略で、ヤード・ポンド法における体積の単位。およそ1リットルと覚えておきましょう。内径は15.5cm、深さ6cmのコンパクトサイズで、重さは1.9kg。2リットルのペットボトル1本分と考えれば持ち運びも苦になりません。また、メーカーの方で出荷前にシーズニングを済ませているので、すぐに使えるのが良いですね。
さっそく炭火を使って調理してみました。と言っても、油を敷いたあと、カットしたニンジン、ナス、シメジと、鶏の胸肉を入れただけ。味付けは、ハーブやスパイスが効いた市販のソルトミックスのみとシンプルです。
炒め物や煮物などは下からの加熱だけでも十分に調理できますが、通常のダッチオーブン同様、フタの上に炭火を置けば、上からもしっかりと加熱することが可能。食材をひっくり返す手間がいりません。
小さいながらもそれなりに重みのある鋳鉄製のフタを閉じることで、食材から出る蒸気を逃がさず、圧力によって肉を柔らかく調理することが可能です。
火にくべてから20~30分が経ったところでフタをオープン。ハーブやスパイスの香りとともに、ジューシーな鶏肉と色とりどりの野菜が表れました。鍋敷きの上にそのまま置いても絵になるため、わざわざ器に移さなくてもOK。そのまま1品料理が完成です。