丸太の状態から切り出していくところからスタートするグリーンウッドワークは、木の節やゆがみを利用して作品を作るのが醍醐味です。
きちんと乾燥させた製材ではなく、切ったばかりの生木は水分が多く、ナイフで削りやすいことも特徴のひとつ。半面、完成後に乾燥していくので、多少のゆがみが生じることもありますが、それも味わい。
ヨゲは、地元であるスウェーデンはもちろん、北欧各国、アメリカやドイツ、そして日本でもワークショップを開催しているので、そのパフォーマンスに触れた人も多いのでは。
2018年7月、北海道で行われたモーラナイフアドベンチャー・イン・ジャパンのために来日したヨゲに、バターナイフ作りを通じてナイフの扱い方を教えてもらいました。
■アウトラインを描く
これは、バターナイフの仕上がりイメージです。テーパーを付けることで、適度にしなりをもつ扱いやすいバターナイフになるそうです。赤い矢印は削る方向。
鉛筆で仕上がりのアウトラインを描きます。ナイフの刃と木の繊維が平行に近いほど削りやすくて仕上がりがきれい(順目)なので、なるべく木の繊維の向きを利用するようにアウトラインを描くといいそうです。
■大まかな形を作る
ナタを使って、鉛筆で描いたアウトラインのそばまで切ります。最初からアウトラインどおりに切る必要はありません。ナイフ部分とハンドルの境目はV型にナタを入れて三角に切り落としておきます。
そのほかの部分は、ナタで小さなささくれを作りそぎ落とす、を繰り返します。
ナタだけで、なんとなくナイフっぽい形になりました。刃の厚みがあるナイフならバトニングでなんとか形作ることができますが、ナタのほうがパワーがありサクサク作業が進みますね。