■立体感を演出する影色の塗装
フィギュアも含めてサーフェイサーを吹き終わった状態。表面に塗料が乗ることで細かい突起や造形がハッキリ見えてくるから面白い。パーツの凹部分など「光の当たらない部分」に黒を使い影色を入れていくことで、エッジなどの輪郭を際立つようにする。なお、長谷川さんが今回使用ているエアブラシは、タミヤ製スプレーワークHGシリーズ(口径0.3mm)。
影色塗装を施すのは、装甲の重なりやエンジングリルなどの奥行きのあるディテールが再現されている部分。影色により立体感が際立ってくる。
面と面が合わさるラインにも影色を入れる。光と影の印影を塗装で表現することで面構成された複雑な形状の車体のディテールが引き立ってくる。陰影が付き、模型の見映えがより一層高まる。
砲塔も、特徴的なモジュール装甲の段差部分や、搭載されたM2機銃にもセミグロスブラックを使い丁重に影色を吹き付けていく。
各部への影色塗装による下地塗装が終わった状態。組み立てが完了した「組み立て編その2」の成形色状態と見比べてみると、質感がだいぶ変わったことが分かるだろう。
これに続く4回目は、そろそろミリタリー模型編終盤戦。色の境目が「ボケているようでボケていない」(長谷川さん)という、陸上自衛隊の車両ならではの迷彩塗装のハウツーをぜひチェックして欲しい。
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プロモデラー・長谷川迷人
本名は長谷川 伸二さん。模型誌や模型イベントの各種企画で活躍しているプロモデラー。戦車、艦船、飛行機など、さまざまなジャンルのプラモデル製作に関して造詣が深い。今回の取材に協力してもらった「タミヤ プラモデルファクトリー トレッサ横浜店」では“長谷川マスター”としてプラモデルの製作講座における講師役を務めている。
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(取材・文・写真/ナゴヤリュータ、撮影協力/タミヤ プラモデルファクトリー トレッサ横浜店)