スターバックス流 おいしいアイスコーヒーの作り方②[アイス ドリップコーヒー編]

(3)ドリップ

いよいよドリップしていきます。まずは粉を蒸らしましょう。

「コーヒーの味わいをしっかり出す準備運動のようなもので、お湯を50~60cc程度入れて、20~30秒ほど時間をおいてください。この“蒸らし”が、コーヒーの味わいをしっかり出す準備運動になります」(田原さん)

蒸らしが終わったら、いよいよドリップ開始です。

「粉全体を湿らせるようにお湯を入れます。この際、直接ペーパーフィルターにお湯をかけないように注意してください」(田原さん)

今回は3杯分=30g使っているので、ペーパーの上部までくるぐらいお湯を入れます。

「この時、上に浮いてくるのがアクの成分です。これが下に落ちないように、フィルターの6割ぐらいの高さまでお湯が落ちてきたら、次のお湯を注入します。これを繰り返して、抽出したい量を2~3回程度に分けて落としましょう」(田原さん)

抽出したコーヒーが★★★ラインまできたら、フィルター内にお湯が残っていてもドリッパーから外します。

「お湯がフィルター内に残っているともったいないと思うかもしれませんが、上に浮いているアクが苦味や渋味の原因になるので、これを落としきらない方がクリアですっきりとした味わいになります。なので、むしろフィルター内にお湯が残っている状態で外した方がいい。これが“カフェクオリティ”につながります」(田原さん)

最後は、濃度を均等にして冷やすために、くるくるっと回して撹拌すれば完成!

*  *  *

第1回の基礎知識でも触れたように、豆の挽き具合は抽出器具によって変わってきます。ドリップ方式の場合は“中挽き”。

もちろん、中細挽きや細挽きにしてもいれられます。挽き具合を細かくしていくとコクや風味が強くなり、粗くしていくと、さっぱりすっきりしてきます。

「例えば、アフリカの酸味が強い豆を粗く挽いた場合は、サーッと速く抽出することになるので、レモンやオレンジのような風味がキレイに出てきます。逆に細かく挽くと、その豆自体が持っているベリー感や複雑な風味が出てきますよ」(田原さん)

まずは中挽きで試してみて、その味からどういう方向にしたいかを考えて、挽き具合を変えてみるというのも、コーヒーの楽しみのひとつですよ。

※第3回「コールドブリュー コーヒー」は明日公開です。

 

スターバックス コーヒー ジャパン 株式会社 田原象二郎さん
日本に6人しかいない、スターバックスのコーヒースペシャリストのひとり。スターバックスのパートナー(従業員)に向けて、教育プログラムの開発やコーヒーの魅力をお客様にいかに伝えるかといった紹介するしくみを日々考案している。スターバックスで好きなコーヒー豆は「グアテマラ アンティグア」

 

 

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(取材・文/&GP編集部 写真/田口陽介)

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