■色を塗り重ねる時も“薄く”するのがコツ
下地として青をペイントしたパーツを乾かしている間に、その上に塗る塗料を準備。下地のラッカー系塗料が溶けたり剥がれたりしないよう、GSIクレオス「水性ホビーカラー」シリーズのような水性塗装を使う。「最近では、プラモデルのウェザリング用に、さまざまな塗料が用意されています。GSIクレオスが展開している「Mr.ウェザリングカラー」シリーズもそのひとつ。あらかじめ希釈されていて、面相筆などですぐに使えるんです」(川口名人)
まずは「水性ホビーカラー」を、ラッカー系塗料と同様に小瓶で希釈する。この際にも、あくまでも“シャバシャバ”に薄めるのがポイントだ。とにかく塗料を薄くすることで、予期せぬ塗りすぎを防ぐことにつながる。「不慣れな人は“これで大丈夫なの?”と不安を抱かれるかもしれませんが、塗り重ねることで濃くできるので問題ありません」(川口名人)
10分程度乾かした下地塗装済みのパーツにエアブラシでペイント。基本的には下地をすべて覆うように塗装していくが、パーツの隅まで厳密に上塗りする必要はない。「この後の工程で細かいところは別途塗るので、この段階では下地の青が隅に残っていても大丈夫です」(川口名人)
まんべんなくペイントできたら上塗りは完了だ。なお、冒頭にも触れたように、塗装が終わったら、エアブラシの塗料カップをしっかり洗浄しておこう。「上塗りに使ったのは水性塗料なので、乾く前なら水洗いでも落とせます。けれど、道具を長く使うことを考えれば、専用のクリーニング溶剤で、塗料をきれいにしておきましょう」(川口名人)
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次回は、本格ウェザリング編の後編として、薄め液や面相筆を使った仕上げ方を解説! 君は最後までタイムラプス動画をチェックすることができるか。
ガンプラ名人・川口克己さん
BANDAI SPIRITS ホビー事業部に所属し、ガンプラのプロモーション活動を行う。かつてはプロモデラーとしてその名を馳せ、フルスクラッチのガンダムなどを製作していた。往年のガンプラファンには神に等しい存在
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(取材・文・写真/ナゴヤリュータ 撮影協力/BANDAI SPIRITS、ガンダムベース東京 (C)創通・サンライズ)