【知識】スマホのバッテリー持ちもよくなる!最新規格「Wi-Fi 6」って何がすごいの?

■使ってみたらネットゲームの環境が改善された!

▲Wi-Fi 6採用「NIGHTHAWK RAX80」(実勢価格:4万8000円前後)

──今回「NIGHTHAWK(ナイトホーク) RAX80」をしばらく実際に使わせていただきました。まず、特徴的なデザインに目を引かれたんですよね。しかも箱から出してウイングをはめる作業が、ガンプラ世代にはかなりワクワクすると言いますか(笑)。でもこのデザインは、カッコよさのためだけではないんですよね?

向山:そうですね。「Wi-Fi 6」という新世代のテクノロジーに対応するものなので、それに負けないように、きちんとデザイナーを入れてデザインしたという点が一つあります。また、ウイングの中に微調整したアンテナを配置していて、「Wi-Fi 6」のパフォーマンスを最大限に発揮できるように設計されています。

──なるほど。

向山:ネットギアのナイトホークシリーズやルーターをはじめ、昨今のハイエンドルーターの主流は、アンテナが外に出ているデザインですが、最大8本のアンテナが立つようになりまして。でも、そんなにニョキニョキ立っているよりは、ウイングに収めて空を飛ぶようなデザインにした方がいいだろうということで。

幸田:以前は6本だったんですが、「Wi-Fi 6」になって8本になりました。ちょっとニョキニョキしすぎますからね(笑)。見た目と機能、両方のいいとこ取りをした結果です。

──実際、家庭で使ってみたところ、僕よりも中学生の息子の方が「Nintendo Switchのネット対戦ゲームが落ちなくなった」と喜んでまして(笑)。

前田:ああ、そうですか。それはよかったです! 皆さん、困ってると思うんですよね。家庭で日常的にWi-Fiを使うけど、思ったほど環境が整備されていなくて。これまではどんな環境だったんですか?

──実はケーブルテレビを入れた時に一緒にネットをつないで、そこで設定してもらったWi-Fiをそのまま使ってたんです。息子いわく、「RAX80」に切り替える以前と以後では、Switchの「接続テスト」で表示される通信速度が全然違ったと……(笑)。

向山:そういう使われ方をしている人は非常に多いと思うんですよね。無償提供されたままで、という。実感するような不具合はそんなにないと思うんですが、よりよい環境を知ってしまうと、もう戻れないという(笑)。

 

■従来のWi-Fiが「5」だったので、新規格は「6」に

──そもそも、先ほどからお話に出てくる「Wi-Fi 6」なんですが…。「Wi-Fi」自体はかなり普及してきたとはいえ、急に「6」になった!という印象なんですけども(汗)。

向山:そうですよね(笑)。「Wi-Fi 6」は今年から導入されるWi-Fiの新規格なんですが、これによって現行の最新規格である「802.11ac」は「Wi-Fi 5」、「802.11n」は「Wi-Fi 4」と、さかのぼってナンバリングされているんですよ。だから「突然6が出てきた」と思われるのも無理はないと思います。

──安心しました(笑)。その「Wi-Fi 6」は、これまでのWi-Fiと比べてどういう特徴があるものなんでしょうか?

向山:「Wi-Fi 6」には3つの大きな特徴があります。まずひとつは超高速なネット接続環境を実現するということ。二つめは、複数のデバイスで同時に通信できるということ。そして三つめが、デバイスのバッテリーが長持ちするということです。

──いいことずくめですね! ではひとつずつ、具体的に説明していただけますか?

向山:はい、まず“超高速接続”について、旧来のWi-Fiである「Wi-Fi 5」になりますが……は、規格上は最大6.9Gbpsだったところ、「Wi-Fi 6」では最大9.6Gbpsになっています。ですので弊社としては、規格上1.4倍の速度になっているとご案内しています。

幸田:現在、Amazonでルーター部門のランキング1位を取っている商品は、ac1200という規格なんですが、Wi-Fiスピードは合計で1200Mbpsという速さなんです。それに比べて、弊社で一番速いRAX200だと合計で1.1Gbpsになるので、計算上は9.2倍の速さが出ることになります。

──9.2倍! それはすごいですね!

前田:「Wi-Fi 6」のエントリーモデルであるRAX40であっても、計算上では先ほどの1位機種の2.5倍ほど出ます。「Wi-Fi 6」用の新しい技術がたくさん詰め込まれていることが、このスピードを実現できた背景にあります。

──続いて、“複数のデバイスを同時に接続できる”というお話でしたね。

向山:これも「Wi-Fi 6」用の新しいテクノロジーで、携帯電話などの4Gに使われているOFDMAという多重化技術をWi-Fiに導入したものなんですね。あともう一つ、最終的には、上り(アップリンク)の方にMU-MIMO(ムーマイモ)が対応されていくと思います。

──すみません、ムー……何でしょう?

向山:「ムーマイモ」ですね。「MIMO(マイモ)」というのは送受信の両方で複数のアンテナを使用し、通信品質を上げる技術のことです(「multiple-input and multiple-output」の略)。これをさらに進めた「マルチユーザーMIMO」、略して「MU-MIMO」です。これによって、たくさんの人がたくさんのデバイスで、同時にインプット・アウトプットできるわけです。

【次ページ】全4機種のナイトホークで環境に合わせて選べる

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