■タープ設営時に注意したい3原則
エアコンのない(当たり前ですが)夏キャンプを少しでも快適に過ごすためには、自然の利を活用することが大切です。そして欠かせないのが、日を遮る幕(タープ)です。とはいえ、日中のんびり設営していると疲れるだけですので、できるだけ素早く張ることを心がけましょう!
そこで、夏の山キャンプを快適にするための3つの心得を紹介します。
1.日を遮る場所を選ぶ
前述したように、キャンプ地選びは非常に重要です。最も重要なのは、直射日光が当たらない場所。林間サイトで頭上に木々があり、天然のタープとなっている場所を選びましょう!
2.設営は簡単に
複雑で時間がかかる設営は、炎天下の中では体力の消耗が激しく、設営だけで汗だくになってしまいます。なので、できるだけシンプルな幕や張り方をチョイスしましょう。
3.風を味方につける
風速1mで体感温度が1℃下がるといわれています。天然の扇風機である風をうまく利用しましょう。風の通り道を考え、風通しが良い幕の張り方をすることが大切です。
■夏キャンプに適したタープ設営テクニック
上述した3原則を基本とし、実際にどのように幕を張るか。今回はタープで紹介します。使用するタープは「Aqua quest 3×3m Safari」です。
熱源に使う焚き火ですが、今回は直火ではなく、暑くなった時に焚き火を移動できるよう、軽量なピコグリルの焚き火台を使用しました。
1.ガイライン(張り綱)を張る
ガイラインの一方は高い所(2〜3m)に支点を取り、もう一方は下の2枚目の写真のように、地面から少し高さがあるところに結びます。10~20㎝くらいでしょうか。
立ち木に結ぶ時には、簡単に結べてしっかり固定でき、しかも解くのも簡単な「ふた結び」。低い方は強いテンションで張れて、長さ調整が可能なトラッカーズヒッチ」で結んでいます。
2.プルージックで、輪っか状のロープをガイラインへ結ぶ
ガイラインの途中にプルージックで結んだ2つの輪っかと、正方形タープの対角の角2つについているループとを結びます。
下写真のようにガイラインに結びます。
プルージックとは登山などで使われるロープワークで、対象物に輪っかを巻きつけ、摩擦抵抗によって固定でき、緩めると結び目の位置を移動できることが特徴。キャンプでは、ポールやロープにランタン、シェラカップ、クッカーなどを吊り下げる時にも使えます。
3.残った角のループをペグダウン
ガイラインで結ばれていない角を、それぞれペグダウンすれば完成です!
設営はたったこれだけ。
この張り方は「ダイヤモンド張り」といって、私が知る中で最も設営が簡単な張り方です。今回は2本の立ち木に結びましたが、一方(低い方)は地面にペグダウンでもいいですし、高い方の木に結んだところは、ポールを使ってもいいです。
ポールとロープで設営する場合であれば、2mくらいのポール1本とペグ4本だけで設営できます。
今回は立ち木を使ったので、ポールなし、ペグは2本という、超省エネ設営です。ちなみに使ったロープワークは「ふた結び」「トラッカーズヒッチ」「プルージック」の3種類です。
ところで、どこが猛暑をしのぐ設営なの? と疑問に思う方もいると思いますし、お気づきの方もいるかも知れません。
ポイントは、お尻の部分が上がっているところです。
こうすることによって、地面に設置している部分は左右のペグダウンした角のみで、しっかりと太陽を遮りながら風通りが良くなり、なおかつ目隠しもある状態になるわけです。
お尻部分から中をのぞくと下の写真の通りです。ちなみにプルージックとタープの角を連結させるやり方の参考にもしてくださいね。
設営目安は5~10分くらいでしょうか。
本当に簡単に設営できて、風通しが良く、当日関東の最高気温は34℃くらいでしたが、この場所(神奈川県某所)の最高気温27℃くらいでしたが、もっと涼しく感じられ、本当に快適でした。
これからもしばらく猛暑は続くかと思いますが、ちょっとした知識と簡単なアレンジで、暑い日でも快適にキャンプをしてみてはいかがでしょうか?
>> 連載 [不自由を自由にする野営スタイル]
(文・写真/RYU)
「不自由は自由だ!」をモットーに、不便さの中でいかに快適に過ごせるかを考え、キャンプをしております。 経験、スタイルを問わず、少しでも参考になる情報を発信して行きたいと思います。Instsgramアカウント @ryu chikazawa #不自由は自由だ #アウトドアをこじ開けよう「初代 @sotoshiru アンバサダー」「@tobuy_official インフルエンサー」「減災支援協会サバイバルプロジェクト野塾 塾長補佐」
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