例えば、2019年1月には「SCビジネスフェア2019」にて楽天ペイの顔認証決済について展示がありました。また、同年5月16日に東京ドームで開催したプロ野球パ・リーグ公式戦「楽天スーパーナイター」では、顔認証決済の仕組みを活用して、一部座席に対してチケットレス入場を行う実証実験が行われました。さらに、2019年7月31日からパシフィコ横浜で開催された「Rakuten Optimism 2019」でも、楽天ペイブースにて顔認証決済の仕組みを体験できるコーナーが設けられました。
最近では、12月24日に二子玉川駅近くにオープンした「GATHERING TABLE PANTRY 二子玉川」にて、3月19日まで顔認証決済の実証実験が行われています。実店舗での決済として使われるのはこれが初めてのこと。ただし、一般客には開放されていないため、同店を訪れても顔認証決済はまだ行えません。
■顔認証決済とは
楽天ペイが開発している顔認証決済の最大の特徴は、決済時にスマートフォンを取り出す必要がないことです。店舗に設置されたタブレットを用いて、ユーザーの顔認証を行うと、あらかじめユーザーが楽天ペイアプリで紐づけておいた支払い情報を用いて決済が行われます。筆者が取材した実証実験では、タブレットとしてiPad Proが設置されていました。
なお、顔認証で使用する顔のデータは、スマートフォンのアプリからあらかじめ登録しておきます。この際、4桁のPINコードも登録します。顔認識では、双子などの誤認識が発生する事例も考えられるため、PINコード入力やBluetoothによる登録端末の認識によって、ダブルチェックできる仕組みが設けられているのです(要するに、登録したスマートフォンを携帯していれば認証可能。もし持っていなくてもPINコードを入力できればOKということ)。
実際の支払い手順としては、店舗向けのアプリ画面で「支払う」をタップすると、インカメラが起動。顔認証が行われ、正しく認証されれば支払い完了となります。
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決済において、顔のデータを登録して利用することはまだまだセンシティブな議題ではあります。しかし、財布だけでなくスマートフォンすら取り出さずに決済が行える仕組みは、様々なシーンで実証実験的に採用されてくる可能性も高いでしょう。引き続き、今後の動向に注目したいと思います。
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(取材・文/井上 晃)
スマートフォン関連の記事を中心に、スマートウォッチ、ウエアラブルデバイス、ロボットなど、多岐にわたる記事を雑誌やWebメディアへ寄稿。雑誌・ムックの編集にも携わる。モットーは「実際に触った・見た人だけが分かる情報を伝える」こと。
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