■JPQRのWeb受付がスタート
「JPQR」とは、総務省が推進するコード決済の統一規格のこと。2019年3月29日に「利用者提示型(CPM)」と「店舗提示型(MPM)」のそれぞれについて、仕様が策定されました。前者については2019年8月1日からすでに全国運用が開始されています。
一方、2020年6月22日にスタートしたWeb受付では、店頭でコードを展示する「MPM」という利用方法を対象にしているものです。2019年には岩手、長野、栃木、和歌山、福岡の5県約12000店舗で導入されていましたが、これが全国に拡大します。
JPQRを利用するメリットは、店頭に設置するQRコードが1つで済むということ。複数の決済事業者への申し込みが同時に行えるので、手続きの事務負担が軽減できることも謳われています。
JPQR自体に年会費等は設けられていません。また、店舗側が負担する決済手数料などは決済サービスごとに異なります。既存加盟店もJPQRにまとめることが可能ですが、直接契約の場合と比べて決済手数料が変わるケースがある点には留意が必要とのこと。
■コード決済利用者は存在を知っておけばOK
さて、利用者側から見た場合には、店舗で読み取る際のQRコードが「JPQR」のデザインに統一されている可能性が今後出てくるということ。対象の決済サービスであれば、どれでもJPQRのコードを読むことになるわけですから、いざ支払いの際に戸惑わないよう、存在を知っておくのは重要です。今後始まる「マイナポイント」事業の対象としても、QRコード決済は含まれていますからね。
対象の決済サービスを確認してみると、すでに主要なものはカバーしている印象。当初はメルペイなど、昨年の時点では参加表明が一部事業者に限られていただけに、ほっとひと安心です。
なお、決済サービスは、参加決済事業者の一覧として記載されていますが、中には現時点では未対応のものも。4月時点でのリリースによれば、PayPayが2020年7月末、FamiPayが10月末、楽天ペイが冬ごろに対応予定と表記されていました。
一方、JPQRを使うために専用のアプリなどを用意するような必要はありません。普段使っているコード決済サービスをそのまま活用して「JPQR」のコード表示を読み取ればいいだけです。「へー、そんなのがあるのか」と知っていれば、ひとまず困ることはないでしょう。
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普及とともに乱立してしまった決済ブランドですが、JPQRのMPMが普及すれば、レジまわりはスッキリしそうですね。景観と利便性が改善されるという意味で、喜ばしい限りです。
>> JPQR
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文/井上 晃
井上 晃|スマートフォンやタブレットを軸に、最新ガジェットやITサービスについて取材。Webメディアや雑誌に、速報、レビュー、コラムなどを寄稿する。Twitter
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