■田中さんが考えるゴルフ2の魅力
ところで、田中さんはゴルフ2のどこに魅せられて専門店を開くまでになったのでしょう。
「もともとは見た目で入りました。そして乗ったらすごく面白くて、若い頃はレースに出たりもしていたんですよ。最近すごく感じるのは、ゴルフ2はすごくシンプルで“ちょうどいい”クルマだということです。
クルマが軽くて、変な電子制御が入っているわけでもないから今でも走らせて楽しいと思える。そして室内が広いから使い勝手がいい。ケチをつけるところがないんですよね。もちろん、『ここがこうだったらもっといいのに…』という部分はありますが、それは大きな不満というほどではなく、どこをとっても80点は取れているという感じです。
僕はゴルフ2以外にも、90点、100点を求めて別のクルマに乗ったりもしますが、ゴルフ2より秀でた部分があるクルマは別のところが50点、60点だったりする。するとその部分が気になって、やっぱりゴルフ2がいいかな、となるんです」
田中さんの言葉からわかるのは、ゴルフ2は極めてバランスがいいクルマだということ。だからこそ長く愛することができるし、次々と新しいクルマが登場してもその魅力が色あせないのでしょう。
そして足回りとボディ剛性がすごくしっかりしているから、走りを楽しみたい人も満足できる。これもゴルフ2の魅力だと田中さんは感じているそう。
一方で、普段使いしやすいモデルとはいえ30年以上前のクルマなので、日常点検や予防整備などはきちんとする必要もあります。
とはいえ、「常にクルマの状態を気にしながら万全の状態にしないと!」と肩に力を入れて乗らなければいけないというクルマでもない。人間にも体調の良い時と悪い時があるように、いつでも同じように動いてくれるわけではないということを理解した上で、「今日の調子はどうかな」とクルマへの意識を持つようにする。そして「少し変だな」と感じたら、放っておくのではなく早めに見てもらうようにすれば、快適なゴルフ2ライフを楽しむことができるはず。
「僕がお客様と話す時、これまで国産車を乗り継いできた人には『壊れるつもりで乗ってください』と話します。ゴルフ2に限らず、この時代のクルマは壊れないための工夫がされてないパーツもあったりしますから。そして若い頃にゴルフ2に乗っていたお客様には『ご自身の体も若い頃に比べて無茶が効かなくなっていますよね』と話します。若い頃と同じようには走れないかもしれないけれど、体調を整えればまだまだスポーツを楽しめる。ゴルフ2もそれと同じです」
乗る前から故障を気にしすぎて躊躇すると、せっかく目の前にある楽しさを存分に味わえなくなる。あまり構えすぎず、適度な意識を持ってゴルフライフをスタートさせましょう。
次回はゴルフ2の相場感と実車チェックをお届けします!
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<取材・文/高橋 満(ブリッジマン)>
高橋 満|求人誌、中古車雑誌の編集部を経て、1999年からフリーの編集者/ライターとして活動。自動車、音楽、アウトドアなどジャンルを問わず執筆。人物インタビューも得意としている。コンテンツ制作会社「ブリッジマン」の代表として、さまざまな企業のPRも担当。
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