スマホ、ノートPCでの「うつむき姿勢」がもたらす深刻な症状とその解消法3つ

診察室に入ってくる時は背中を丸めてトボトボ歩いているような感じで、そして椅子に座っていても猫背でうつむき加減になっています。

このようなうつむき加減の姿勢で、首筋にどのくらいの力がかかるかを研究したのが、ニューヨーク脊椎外科リハビリ病院のKenneth K. Hansraj先生。研究結果によると、姿勢よく真っすぐ立ったときには約5kg(10~12ポンド)の重さが頚椎にかかる一方で、30度前のめりになると約14kg(30ポンド)、60度前のめりになると約27kg(60ポンド)の重さになるということがわかりました。

Assessment of Stresses in the Cervical Spine Caused by Posture and Position of the Head

みなさん、ボウリング玉の重さを思い出してみてください。女性や力の弱い男性の場合、15ポンドのボウリング玉を持ち上げるのもひと苦労ですよね。この研究によれば、たった30度だけでも前のめりになると、あの重い15ポンドのボウリング玉が2つ分、そして60度前のめりになるとさらに2つ分増えて4つ分の重さが、どんどん首筋にのしかかってくるということなのです。

特に最近、うつむき加減の姿勢でスマホを操作している人をよく電車で見かけるようになりました。おそらく、自宅や職場でも同様の姿勢でスマホの小さな画面を凝視していることでしょう。スマホを操作する場合は、うつむきの姿勢で操作するのではなく、顔の正面まで上げるのが理想的です。

デスクワークでノートパソコンを使っている人も同様に姿勢がうつむき加減になることが多いので、ノートパソコン自体を、重ねた本の上に乗せて、モニターが顔の正面に来るようにしましょう。そして、別売りのUSB接続するタイプのキーボードとワイヤレスマウスを買って使えば、良い姿勢でパソコン作業ができるようになるはずです。

私たちが気をつけるべき姿勢は3つ。それは「立つ姿勢」「座る姿勢」「寝る姿勢」です。「なんとなく」の体調不良を自覚している人は、まず「姿勢」を意識してみてください。

とくに、

(1)耳の穴を肩のラインに合わせ、顎を少し引く
(2)肩甲骨を少し後ろに引く
(3)骨盤は寝かさず立てる

の3つのことを意識して実行するだけでも、体調は少しずつ変わっていくはずです。

しかし、頭痛やめまいの症状が強くて悩んでいる場合は、ぜひ一度、脳神経外科などの医療機関を受診してください。

 

(文/citrus 菅原 道仁

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