1.「ノンフライ」から「グリル」まで何でもOK!
フィリップス「ノンフライヤー プラス」(実勢価格2万7720円)
筆者が最もオススメしたいのは、ヘルシーな「ノンフライ調理」が可能で、大ヒットを飛ばしたフィリップスの「ノンフライヤー プラス」だ。2段調理が可能な「ダブルレイヤー」が付属する「ダブルレイヤーセット」の実勢価格は2万7720円。
ノンフライヤー プラスは熱風を循環させる「コンベクションオーブン」機能を搭載しており、油を使わずに“揚げ物”ができる「ノンフライ調理」が大きな売りとなっている。
もちろん油を使わずに鶏の唐揚げやトンカツなどを楽しめるのもいいのだが、魅力はそれだけにとどまらない。料理があまり得意ではない人に向けて筆者が特にオススメしたいのが「グリル調理」にある。
例えばファミレスなどで定番の「鶏もも肉のグリル」は比較的リーズナブルな料理だが、家で作るのは結構難しい。慣れない人がフライパンで作ろうと思ったら、まず失敗する。肉に厚さがあるため、外側は焦げて内側は生のままといったことになりがちなのだ。
しかしノンフライヤー プラスならまず失敗しない。お酒をまぶして塩こしょうした鶏もも肉を、200℃に予熱したノンフライヤー プラスのバスケットに入れて8分〜10分ほど焼くだけ。
外はカリッと、中はジューシーに仕上がってくれる。ビーフステーキも手軽に焼けるし、チャーシューなども手軽に作れる。何よりもフライパンと違って放っておけるというのもうれしい。電子レンジなどは新生活の必需品のひとつだが、「何かひとつ調理家電が欲しい」という人はまずノンフライヤー プラスを買うと後悔しないだろう。
2.「朝はパン」派には絶対にオススメ!
バルミューダ「バルミューダ ザ・トースター」(実勢価格2万4730円)
筆者はどちらかというと「朝食から夕飯まで米食派」だが、「朝食はパン派」という人にはぜひともバルミューダの「ザ・トースター」をオススメしたい。
最近のオーブンレンジでは、水を100℃以上に熱した「過熱水蒸気」を用いて調理する機能を搭載したモデルが増えており、過熱水蒸気対応モデルでも安いものでは3万円を切るぐらいから買えるようになっている。ザ・トースターはトーストなどを焼くための「オーブントースター」ながら、スチームを活用したユニークなモデルだ。
その魅力は、何といっても「外側がカリッと、内側はふわっと」焼き上げるその仕上がりにある。付属のカップを使って約5ccの水を本体上部から注入し、「トースト」「チーズトースト」「バゲット」「クロワッサン」の自動モードを使って焼くと、そんな仕上がりでトーストやバゲット(フランスパン)、クロワッサン、焼きそばパンなどの調理パン(バゲットモードを使用)などを楽しめる。
バルミューダによると、スチームによってパンの表面に水蒸気の膜を作り、中に水分を閉じ込めた上で外側をカリッと焼き上げるとのこと。秒単位の細かい温度調節も相まって、フランスパンなどを焼いても一般的なトースターでなりがちな「上は焦げるけど中は冷たい」といった状態にならないのがうれしい。
このモデルはかなりの人気で品薄状態が続いているので、興味がある人は早めに注文しておくことをオススメしたい。
3. “放っておく”だけでOK! 忙しくても本格的な調理ができる
シャープ「ヘルシオ ホットクック」(実勢価格5万9270円)
シャープの「ヘルシオ ホットクック」は、水を使わずに食材や調味料に含まれる水分だけで調理する「無水調理」が可能な機器だ。無水調理というと「タジン鍋」などが有名だが、火の通り具合などを確認しにくいため、使いこなすのは難しい。しかしホットクックの場合、食材をセットしてメニューを選び、スタートするだけで放っておけるのが魅力となっている。筆者も実際に試してみたが、野菜や肉、カレールーを入れてボタンを押すだけで仕上がる「無水カレー」は絶品だった。
その秘密は「とろ火」も可能な底面ヒーターと、食材をかき混ぜる「まぜ技ユニット」にある。炊飯器などの大火力が求められる調理機器には内釜全体が直接発熱する「IH方式」が採用されているものが多いが、ホットクックはあえて底面のヒーターによって熱する方式を採用。
これが「とろ火」を可能にし、焦がさず、煮崩れさせずに食材を熱することができる。カレーのような粘度の高い料理は内釜内で対流が起こらないため焦げ付いてしまうが、内側でまぜ技ユニットが食材をかき混ぜることで焦げ付きを防ぎ、全体的にしっかりと火を通すようになっているのだ。
魚の煮物などでお酒のわずかな水分だけで作ることができる。水をたっぷり使うと食材のうまみや栄養素が逃げてしまうが、無水調理することでどちらも逃がさずに味わえるようになっている。
予約調理が可能なのも魅力だ。予約スタート後に食材に火を通してしまうため、食品が傷みやすい夏場でも安心して予約調理ができる。朝にセットすれば、帰宅後には一晩おいたぐらいに味のなじんだカレーを味わうこともできる。実勢価格はまだまだ高めだが、じっくりコトコト煮込んだ料理を手軽に家で味わいたい人にはイチオシだ。
4.年中活躍しそう! 小型ホットプレート
イデアインターナショナル「BRUNOコンパクトホットプレート」
新生活に向けてぜひ家に常備しておいてほしいのがイデアインターナショナルの「BRUNOコンパクトホットプレート」だ。
ホットプレートというとさまざまなメーカーが製造販売しているが、この製品の魅力は「サイズ感」と「デザイン」、そして「オプションの豊富さ」にある。
本体サイズは幅37.5×奥行き23.5×高さ14cmで、重さは約2.3kg。A4用紙(横)が幅29.7×奥行き20cmだから、A4用紙よりひと回り大きい程度と思って間違いない。4人家族などではちょっと物足りないサイズだが、ひとり暮らしはもちろん、夫婦や小さな子どものいる3人家族くらいまでなら十分に使えるサイズだろう。
カラーはレッド、ホワイト、ピンクの3色を用意しており、そのほかにもテレビドラマ『いつかティファニーで朝食を』(日本テレビ系)とのコラボモデルなどもラインアップしている。平面プレートの他にたこ焼きプレートも付属しており、おしゃれさと実用性を兼ね備えている点も魅力となっている。
さらに嬉しいのが、オプションが充実している点だ。付属するプレートは平面プレートとたこ焼きプレートの2枚だが、オプションで焼き肉などを楽しめる「グリルプレート」(直販価格1944円)、鍋料理を楽しめる「セラミックコート鍋」(同3024円)、パンケーキや目玉焼きなどを手軽に作れる6つの穴を備えた「マルチプレート」(同3024円)などを用意している。
ホットプレートは冬場に使うイメージがあるかもしれないが、お好み焼きやたこ焼き、焼きそば、「マルチプレート」を使ったアヒージョやバーニャカウダなどは年中いつでも楽しめる。恋人を誘えば、ささやかなホームパーティー気分も味わえるのでオススメだ。
5.煙を気にせず焼き魚やくん製を楽しめる!
パナソニック「フィッシュ&ロースター けむらん亭」
先ほど紹介したタジン鍋による「無水調理」と同様、最近人気が高まっているのが「くん製」だ。くん製というと、ガスコンロなどを利用して手軽に楽しめる「熱燻」、より本格的な「温燻」、寒冷地などで生ハムなどを作るときに用いる「冷燻」の3つに大別される。そのうち、最も手軽で素早くくん製を楽しめる「熱燻」ができるのが、パナソニックの「フィッシュ&ロースター けむらん亭」だ。
けむらん亭は、パナソニックが以前から販売している「フィッシュロースター」を改良し、くん製も作れるようにしたもの。ガスコンロの下にフィッシュロースターが付属する場合もあるが、一般的なコンロにはタイマーなどが付いていないため、焼き魚などの火加減に失敗しやすい。しかしけむらん亭は焼き魚などを自動で焼いてくれるので失敗せずに味わうことができる。
付属のくんせい容器の下部にスモーク用のウッドチップを敷き、その上に味付けした食材を載せてアルミホイルでフタをしてセットするだけ。15分程度でくん製ができあがる。
特に魅力的なのは、触媒フィルターによって煙やにおいを約90%カットしてくれる点にある。触媒専用ヒーターとファンによって、庫内の煙やにおいを触媒フィルターに通すことで、煙やにおいを分解してくれるという仕組み。さすがにくん製ともなるとある程度のにおいは出るが、周囲に迷惑をかけるような煙もにおいも発生しないので、朝でも夜でも安心して使える。
旧来からのフィッシュロースターをそのまま生かしたデザインなので、生活感のある感じはマイナスだ。しかしアウトドアでもなければなかなか味わえないくん製を自宅で手軽に味わえるのはかなりの魅力ではないだろうか。
(文/安蔵靖志)
ビジネス・IT系出版社で編集記者を務めた後、フリーランスに。総合情報サイト「日経トレンディネット」、「NIKKEI STYLE」などで執筆中。近著は「予算10万円以内! 本気で原音を楽しむハイレゾオーディオ」(秀和システム)。KBCラジオを中心に全国6放送局でネットしているラジオ番組『キャイ~ンの家電ソムリエ』にも出演中。
- 1
- 2