ムーンウォッチのモデルチェンジで改めて注目される “マスター クロノメーター”とは?【時計百識】

2021年最初のビッグニュースとなったのが、オメガを…いや、腕時計を代表するといっても過言ではないであろう「スピードマスター ムーンウォッチ」のアップデートだ。1957年に初代モデルが誕生し、その後、幾度もの進化を重ねてきたスピードマスター。そのレギュラーモデルが1997年以来、実に24年ぶりにモデルチェンジするというのだから、当然、時計ファンはざわつき始めた。

すでにスピードマスターを所有している人にとってもこの新モデルは魅力的だし、まだ持っていない人にとっては、いずれ生産が終了してしまうであろう従来モデルと新作のどちらを買うべきか、早急な判断が求められる状況になったからだ。

■「スピードマスター ムーンウォッチ プロフェッショナル マスター クロノメーター」

新たにキャリバー3861を搭載し、1万5000ガウスもの超耐磁性を確保した「スピードマスター ムーンウォッチ プロフェッショナル マスター クロノメーター」。ムーブメント以外にも、テーパード・ブレスレットの採用や、ミニッツスケールを従来の1/5から1/3刻みにするなど、細かな仕様変更がなされている。

写真は風防にヘサライトを採用したステンレススチール製モデルで、価格は67万円(税別)。サファイアクリスタル風防を採用し、ケースバックをトランスパレント仕様にしたモデル(77万円/税別)もラインナップ。

新しくなった「スピードマスター ムーンウォッチ プロフェッショナル マスター クロノメーター」の特筆すべきポイントは、長年親しまれてきた手巻きキャリバー1861に代えて、コーアクシャル マスター クロノメーター キャリバー3861を搭載したこと。

▲マスター クロノメーターに準拠した手巻きキャリバー3861。パワーリザーブは約50時間

もっとも、このキャリバー3861はすでにスピードマスターの一部限定モデルに採用されているので、その実力は知られるところだが、レギュラーモデルへの搭載を機に、改めて「マスター クロノメーター」とは何かを確認すると、新しいムーンウォッチがいかに魅力的なモデルであるかが分かるはずだ。

【次ページ】厳格な検査をクリアした時計に付与される“マスター クロノメーター”

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