■どれを選べばよいのか?
さて、個々の通信プランの料金や内容については、一旦置いておき、まずは各サービスにおける質の違いを理解しておきましょう。自身が何を求めているのかが分かれば、狙うべきサービスを絞り込めます。ポイントは4つです
①店舗でのサポートを受けたい?
何か困ったときに実店舗へ駆け込みたい人は、MNOのメインブランドかサブブランドがおすすめということになります。
ahamo、povo、LINEMOといったオンライン専用ブランドでは、店舗サポートは基本的に受け付けていません。事業者によって詳細は異なりますが、オンラインチャットまたは電話窓口対応しか用意されていない点を理解しておきましょう。また、格安SIMも店舗サポートを実施していることはありますが、対象店舗は限定的です。
②留守電&キャリアメールを使いたい?
キャリアメールや留守番電話サービスが利用できるかどうかも注意しましょう。まず、NTTドコモ、au、ソフトバンクからほかのブランドに乗り換えた場合、基本的にそれまで使っていたキャリアメールは使えなくなります。サブブランドや一部の格安SIMでは独自のキャリアメールを提供していますが、従来のブランドのメールアドレスを引き継げるというわけではありません。
また、オンライン専用プランでは、留守番電話が提供されないケースが目立ちます。必要ないと割り切るなら問題ありませんが、確認が必須な項目のひとつです。
③割引は適用される?
家族割や光回線セット割の対象になるかどうかも確認が必要です。特に注意したいのは、オンライン専用プランを契約する場合。例えば、NTTドコモとahamoの関係を考えると、ahamoは「NTTドコモ(メインブランド)が提供するオンライン専用の通信プラン」という位置付けですが、家族割や光回線セット割の割引対象にはなりません。ただし、家族がNTTドコモ(メインブランド)を契約している場合には、家族のカウントには含まれます。
両親がNTTドコモを契約していて、子どもがahamoに乗り換える場合を想定してみると、子どもは家族割の適用対象外ですが、両親2人は家族カウント3人分の割引を継続して適用できるとなります。この形を知っておきましょう。
なお、サブブランドでは、サブブランド向けの家族割などが提供されていますが、メインブランドとサブブランドのように、ブランドを隔てたメンバーで家族割を適用することはできません。
格安SIMでも、家族割や光回線セット割の仕組みは用意されていますが、割引額が小さいこともあるので、さほど恩恵は受けられないと思っておくとよいでしょう。
④高速通信は必要?
最後に通信速度の違いです。高速通信を求める場合には、MNOのメインブランド、オンライン専用ブランド、またはサブブランドをオススメします。どのケースも利用する回線網の品質は基本的に同じと謳われていますので、通信速度も大きな差はないと期待できます。ただし、KDDIのpovoのように5Gは使えるものの対応は夏からという場合もあり、完全に一致するわけではないことは理解しておきましょう。
一方、格安SIMを選択する場合には、回線が混雑する時間帯には満足のいく通信速度が得られないことがあると認識しておくことが重要です。例えば、都内でいう通勤ラッシュやランチ時の休憩時間などには、低速通信と同じような体感速度になることもあります。