■書類作成やメール返信がしたいならiPad Airをまず検討
iPad AirとiPadの違いはいろいろありますが、一番大きいのは、「使えるApple Pencilの世代が第2世代か第1世代か」です。iPadを頻繁に持ち運んで場所を問わずにApple Pencilを使いたいと思う場合には、ペアリングや充電をワイヤレスでできてマグネットでくっつく第2世代に対応するiPad Airを選んでおいた方が良いと思います。
また、トラックパッドを備える純正のMagic Keyboardも、iPad Airなら使えますがiPadでは使えません。長編動画の編集をしたり、何層にもレイヤーが分かれたイラストを描いたり…、といったプロのクリエーターのような運用は想定しておらず、「外出時に書類が作れるサブのノートPC代わりにしたい」といった人には、お勧めできます。ただし、このキーボードアクセサリの価格は3万4980円するので、iPad AirをノートPCのように快適に使いたい場合には覚悟を決めましょう。
■雑誌の表示や簡単なお絵かきならiPadで十分
機能比較ではどうしても良いところが少なくなってしまうiPadも、カジュアルに家族で使いたいという場合には、検討の価値は多いにあります。例えば、リビングで電子版雑誌や電子版新聞を読むのに使いたいという場合には、ピッタリです。
ちなみに、先ほど32GBモデルは要注意と言いましたが、たとえば「電子版雑誌を読んだり、ブラウジングをするくらい」のように用途を限定できる人にとっては、コストを抑えられる魅力的な選択肢でもあります。仕事ではProシリーズを使っているが、家族と共用にするサブ機として安価なiPadをもう1台購入するといったケースも考えられるでしょう。
また、Apple Pencilも第1世代ではありますが、描き心地自体はiPad Air+第2世代と変わりありません。充電やペアリングの際にキャップを外してLightning端子を接続するといった煩雑さはもちろんあります。しかし、それを我慢できるならば、もしくはずっと自宅の机の上で使うのであれば、特に問題なく使えます。例えば「息抜きでお絵かきをしてみたい」「手書きメモは取るけど、本当にたまにだけ」くらいの想定ならば、無理にProやAirシリーズに手を伸ばさずとも、大抵はiPadでカバーできると思います。
■iPad miniは電子コミックなどを読むのに最適
残ったのはiPad miniですが、こちらは筆者の手なら片手でホールドできるほどサイズ感がコンパクトなので、ほかのiPadシリーズとは並列で語りづらい部分があります。小型ゆえに長時間持ち続けやすいという特徴があるので、スマホゲームで遊びたい人や、電子コミック、電子書籍などをiPadで楽しみたいと思っている人にとっては、魅力的な選択肢になると思います。
また、iPhoneではなく、Androidを持っていて、iPadOSもサブ機で使ってみたいと思うような人にとっても、リーズナブルな選択肢となるでしょう。
一方、ノートPCのような運用や、イラストを描くような使い方は向いていません。もちろん全くできないというわけではありませんが、無理にiPad miniでする必要もないというのが正直なところ。その場合は、iPad AirやiPadを検討した方が良いですね。
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最後に、価格比較の表組に、選ぶ際のポイントを追記したものを載せておきます。適宜拡大しつつ、確認してみてください。
まとめると、大半のユーザーがまず検討すべきは、黄色で囲まれた128GB〜256GBの容量です。もし、クリエーターなら、512GB以上のProシリーズを狙っておくと安心です。
その上で、Apple PencilやMagic Keyboardを使いたい場合には、ProシリーズかAirを選んでおきましょう。
こうした周辺機器の最新世代にこだわりがない場合には、iPadも安く入手できる選択肢として魅力です。寝っ転がって漫画や書籍を読んだり、YouTubeを視聴するような利用ならば、iPad miniも便利です。
新モデルの存在や、価格の高い安いはもちろん重要ですが、それだけに注目せず、自身が想定する利用方法に合わせた最適な選択を心がけてください。
<取材・文/井上 晃>
井上 晃|スマートフォンやタブレットを軸に、最新ガジェットやITサービスについて取材。Webメディアや雑誌に、速報、レビュー、コラムなどを寄稿する。Twitter
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