POINT1:合わせ目が目立つ部分は瞬間接着剤パテを使用
外装パーツは燃料タンク、フロントカウルとアンダーカウル、サイドカバーそしてシートに分かれます。燃料タンクは、左右分割されているので接着後、パテを使いパーツの合わせ目を修正する必要があります。
ちなみに、一般的なラッカーパテは乾燥硬化後に溶剤分が抜けて肉痩せ(パテ自体が経年で縮んだり凹んだりして凸凹になること)するため、消えたはずの合わせ目が塗装後に出てきてしまうことがあります。そのため、タンクの合わせ目のように目立つ部分にはオススメしません。そこで、トラブルを防ぐため、硬化後も肉痩せしない瞬間接着剤パテ(タミヤ瞬間接着剤「イージーサンディング」)を使用し、合わせ目を埋めた後、研磨処理して仕上げています。
フロントカウルとサイドカバーは、それぞれ3パーツで構成されていますが、接着面積が少ないので、強度確保のため接着後にしっかりと乾燥させてください(特にサイドカバー)。
POINT2:塗装後は24時間乾燥
組み立てたカウルは白で塗装します。インスト(説明書)ではMr.カラー「C1 ホワイト」が指定されていますが、このホワイトは塗料の隠ぺい力(下地を隠す力)が弱く、エアブラシ塗装の場合、3~4回塗り重ね(塗装→乾燥→塗装の繰り返し)ないと均一な塗装面が得にくいのです。エアブラシでも筆塗りでも、塗料を厚く塗り重ねるとパーツの細かなディテールがつぶれてしまうので、なるべく薄く仕上げたいところです。
そこで今回は、ガイアノーツ製の「EX-01 ホワイト」(Mr.カラーと同じラッカー系塗料)を使用しています。この塗料は、隠ぺい力が強いため、エアブラシ塗装でも2回塗り重ねるだけで、均一で光沢のある白の塗装面が得られます。
カウルやタンクで赤となる部分は基本デカールで再現できるのですが、フロントカウルの左右ナックルガードは塗装が指示されているので、ホイール塗装の際に使用したMr.カラー「C79 シャインレッド」で塗装します。
塗装面は最低でも24時間は乾燥させてください。焦ると指紋や擦り傷がついたりといったトラブルの原因になることも。乾燥時間をしっかりとおくことで、塗料に含まれる溶剤成分が抜けて塗膜が硬くなります。
POINT3:軟化剤とドライヤーでデカールを密着させる
さて、塗装が乾燥したらいよいよでデカール(水転写シール)をカウルとタンクに貼っていきましょう! カウルのストロボラインや燃料タンクは、それぞれが大判のデカールなので扱いには注意が必要です。また、燃料タンクは複雑な曲面に立体裁断された1枚のデカールを貼っていくのですが、扱いが難しいのでデカールを上面と左右それぞれ切り離して、個々に貼りこむことで、シワができにくく作業が楽になります。
塗装に自信がある方なら、燃料タンクはデカールを使わずにマスキングしてシャインレッド塗装してしまうのも良いでしょう。
また、軟化剤を使用することで、デカールをパーツの曲面にしっかりと密着させられます。大判デカールは、貼りこんだら余分な水分をティッシュに吸わせて、デカール内に気泡があれば綿棒を使って、慎重に内側から外側に押し出します。
デカールは薄いフィルムなので、パーツに貼り付ける際に強く擦ったりすると簡単に破けてしまいます。そこで、貼りこんだデカールを軟化剤と併せてヘアドライヤーを使います。デカールは、ドライヤーの温風で軽く温めることで軟化剤も効果も高くなり、風圧を利用することで、擦らずに密着させられます。
【迷人流!カウル塗装とデカール貼りのポイント】
デカール貼りは、十分な乾燥時間を取ることが重要なポイントです。特に大判デカールは、表面的に乾いているように見えてもデカールシートの内側に残った水分が乾くのに時間がかかります(最低でも2日、出来れば一週間程度乾燥時間を取りたい)。水分が抜けていないと仕上げのクリアー塗装において、デカール表面に気泡が生じたりするトラブルの原因となるので、十分に注意しましょう。
>> 達人のプラモ術
<写真・文/長谷川迷人>
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