第二次大戦時のアメリカ海軍空母“ビッグE”を洋上ジオラマで製作!【達人のプラモ術<米海軍空母エンタープライズ>】

■ビギナーにもオススメの多色成型スナップフィット仕様

今回製作するのは、2020年10月に中国のプラモデルメーカーMENG MODEL(モンモデル)から発売された、太平洋戦争初期(改装前)のエンタープライズをキット化したものです。接着剤不要のスナップフィットで、パーツを塗装せず組み上げても、実艦に近いイメージに仕上がる多色成型モデルとなっています。

パーツ分割もいたずらに細分化されておらず、組みやすさが重視されているので、艦船モデルは初めてというビギナーにもオススメのモデルです。

▲艦底、船体、甲板、スクリュー等それぞれが実艦に近い色で成形されているので、塗装しなくても実艦に使いイメージで完成させられる

船体は艦底部も再現されたフルハル仕様ですが、ウォーターライン(洋上モデル)としても製作できます(今回は洋上ジオラマにするのでこちら)。飛行甲板にある3基のエレベーターは可動状態も選択再現、内部の開放式格納庫も再現されています。艦載機はF4Fワイルドキャット、 SBDドーントレス、TBDデバステイターの3機種18機が付属します。

▲甲板の白ラインや艦載機の国籍マークは水転写デカールではなく、シールで再現される

▲インスト(組み立て説明書)とは別にカラーの分かりやすい塗装指示所(こちらもに日本語解説あり)も付属。ただし塗料はAKカラーで指定されている

 

■船体の製作と塗装

まずはインストに沿って船体の製作から進めていきます。モンモデルは海外メーカーですが、インストには日本語も表記もされているので安心です。以前製作した「タイガーⅠ」と同様に、パーツに付着した離型剤を落とすために、まずはキットを洗浄しましょう。またキットは接着剤不要のスナップ仕様ですが、小パーツ類は接合部で隙間が生じやすいので、流し込み接着剤でしっかりと接着していきます。

船体関係のパーツ構成は艦底、喫水線、船体、飛行甲板の4パーツとなっており、それぞれ異なる色で成型されています。これらを組み合わせることで、色分けされた船体が組上がります。

▲船体は船底部、船体の黒帯部分、船体上部の3パーツで構成されている

▲無塗装で仮組みした状態。今回は情景モデルとして製作するので船底部分は使用しない

しかし今回は、よりリアルな仕上がりとするために塗装を施します。キットの塗装指示は海外製のAKカラーになっていますが、入手しやすいタミヤカラー、Mr.カラーを使用しました。また船体の塗装は、エアブラシではなく手軽な缶スプレーを使用しています。

▲フルハルモデルで製作する場合は、船底パーツの矢印の部分にパーティングラインが目立つので研磨しておくこと

▲船底色となるダルレッドはタミヤ缶スプレー「TS-33」を使用。タミヤラッカー塗料では「LP19」

ではさっそく作っていきましょう!

船体は、同じ色(ヘイズグレー)となる内部の格納庫やシャッターパーツなどから組んでいきます。

前部甲板と後部甲板は船体との間に隙間が生じるので、パテ(ビン入りサーフェイサー)を使って隙間を埋めておきます。

▲タミヤ「サーフェイサー(40mlビン入り)」。隙間やパーツ表面についたキズの修正に使用する液状のパテ

ビン入りサーフェイサーは筆を使い隙間に盛るように塗ります。この際、サーフェイサーのはみ出しは気にしなくて大丈夫。

1時間程度乾燥させたら、ラッカー塗料用薄め液を綿棒にしみ込ませてパテを溶かしながら拭き取る。こうすることで隙間の凹部分にはパテがしっかりと残り、はみ出していたパテだけをキレイに拭き取れます。ヤスリがけのようにパーツを削ってしまうこともない、お手軽修正テクニックです。

今回のPoint!「船体の塗装は缶スプレーを使用」

パーツを組付けた船体を缶スプレー(ヘイズグレー)で塗装。厚塗りで船体の繊細なディテールがつぶれないように、塗装は2回程度塗り重ねればOK。

▲船体色に使用するタミヤ缶スプレー「TS-32ヘイズグレー」

 

【次ページ】船体にはしっかりスミ入れしてディテールアップ!

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