(1)Pages
Microsoftが提供しているオフィスソフトとしては「Word」「Excel」「Powerpoint」が有名ですよね。これらもiPad向けに提供されているのですが、利用するためには有料のサブスクリプション契約が必要になります。
一方、Appleもオフィスソフトとして「Pages」「Numbers」「Keynote」というアプリを提供しており、これらは無料で利用可能です。ちなみに、Appleが提供しているオフィスソフトをまとめたセット、すなわち“オフィススイート”としての呼び名を「iWork(アイワーク)」と言いますので、覚えておきましょう。
たとえば、「Wordが使いたいな」と思った場合も、単に文書ファイルを作成したいというだけなら「Pages(ページズ)」で代用する方がコストをかけずに済みます。豊富なテンプレートを活用して手軽に整った文書を作成できますし、共有メニューからWord形式のファイル(.docx)での出力も行えます。
(2)Numbers
同様に、表計算ソフトとしては「Numbers(ナンバーズ)」がおすすめです。関数を活用した計算が行えるほか、調整したスプレッドシートのひな型を「マイテンプレート」として登録することも可能。ちなみにNumbersで作成したマイテンプレートは、iCloudを介して、iPadでもMacでも共通して利用できる点が便利です。
ちなみに、Numbersは「スクリブル」機能での手書き入力もサポートしていることがポイント。日本語は非対応ですが、数字やアルファベットをApple Pencilを使って画面に書き込めば、自動でテキストデータに変換され、セル内に入力されます。Excelではまだ対応していない機能なので、Numbersならではのメリットと言えるでしょう。
(3)Keynote
「Keynote(キーノート)」は、プレゼンテーション用のスライド資料を作成するアプリです。あらかじめ用意されているテーマを選択することで、美しいフォーマットで資料を作れます。グラフィックスにアニメーション効果を適用するなどして、動きのあるスライドに整えることも可能。
なお、同アプリ内にある「Keynote Live」という機能を活用すれば、インターネット経由でのプレゼンテーションが行えます。Webブラウザなどを通じて、場所を問わずに最大500人の閲覧者を招待できるので、テレワークが普及した昨今、活躍する機会もあるかもしれません。
(4)iMovie
続いて、動画編集用アプリである「iMovie(アイムービー)」について。同アプリでは、複数の動画データを繋げつつ、さまざまなエフェクトを適用することができます。動画の再生画面の中に、別の動画を配置する「ピクチャ・イン・ピクチャ」機能や、再生速度の変更など、本格的な動画編集機能もサポートしているのが特徴です。
あらかじめ用意されたテンプレートに素材を当てはめて、動画を作り上げていく「予告編」機能もあります。動画編集に慣れていない人でも、こちらを選択することで整った構成の作品を仕上げられるでしょう。
(5)Clips
iMovieよりもさらにカジュアルな動画編集アプリとして「Clips(クリップス)」というアプリも提供されています。iMovieとは操作体系が大きく異なり、動画や静止画を使って、撮影ボタンを押している間だけ素材として登録するといった、直感的なコントロールが行えます。
スタンプやテキストなどを重ねて編集することもでき、用意されているエフェクトも豊富です。SNSに投稿するための動画を手早く作成してみたい場合には、試してみる価値があると言えます。
(6)ショートカット
最後に、やや上級者向けにはなりますが「ショートカット」アプリも紹介しておきます。こちらは、簡潔に表現すると、簡単なプログラミングを行うような感覚で、一部の操作を自動化できる機能のセット「ショートカット」をカスタマイズできるアプリです。作成したショートカットは、Siriのボイスコマンドで実行させることもできます。
例えば、シンプルなものでは、実行すると「Numbersを起動」して「新規スプレッドシートを作成する」といったショートカットなどが作れるわけです。また、設定操作がよくわからない場合も、「ギャラリー」として用意されているフォーマットを活用することで、プレイリストの再生やテキストの翻訳など、自動化できる機能を試すことが可能です。
さらに「オートメーション」を作成することで、iPadが電源に接続した際などに、特定のアプリを自動で起動するといったような操作を仕込んでおけます。
* * *
Appleが提供している純正アプリは、やはりiPadとの相性が良いのが魅力。機能が豊富な一方で、どれも無料で試せるのはありがたい限りです。なかには、ショートカットのように運用するのが難しいものもありますが、まずはアプリを触ってみるのが重要。わからないところを検索しながら、どんな使い方ができるのか把握しておくと良いでしょう。
<文/井上 晃>
井上 晃|スマートフォンやタブレットを軸に、最新ガジェットやITサービスについて取材。Webメディアや雑誌に、速報、レビュー、コラムなどを寄稿する。Twitter
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