プラモ製作上達に欠かせない基幹アイテム「ヤスリ」の選び方と使い方【達人のプラモ術<道具編>】

■金属ヤスリ

ヤスリと言えば金属のステック状のものを思う浮かべる方も多いでしょう。金属ヤスリには金属用、木工用など素材に応じて種類があります。プラモデルではプラスチック用を使います。プラモデル製作ではフィニッシングペーパーやスティックタイプのヤスリが主流ですが、金属ヤスリも欠かせません

 

▼タミヤ「クラフトヤスリPRO」

紙ヤスリやスティックタイプが使い捨てなのに対して、金属性なので耐久性が高く恒久的に使用できるのもポイントです。しかし安価なものだと目が粗く、研磨の際にパーツ表面に傷を漬けてしまう場合があります。

▲プラモデル製作では6mm幅がオススメ。平タイプ6mm幅で1540円

金属ヤスリで達人イチオシはタミヤ「クラフトヤスリPRO」です。精密な切削加工によって刃をつけた、プラスチックの研磨に特化した波目ヤスリになります。研磨の際に生じる削りカスの排出性を高める、波目とは逆方向に太い溝を掘ったチップブレイカー加工が施されているので、プラの削りカスがヤスリの溝に目詰まりしにくいのも特徴です。

▲金属ヤスリは研磨面が粗くなると思いがちだが、プラスチックの研磨に特化した金属ヤスリがタミヤ「クラフトヤスリPRO」。フィニッシングペーパー等と同等のキメの細かい研磨面を得られる

ヤスリ本体に斜めに入れられているのがチップブレイカーです。これに沿って削りカスが排出されるので目詰まりしにくくなっています。

▲平タイプは6mmと16mmがあり、他にも半丸タイプと丸タイプがある

 

▼タミヤ「ハードコートヤスリPRO」

こちらも金属ヤスリですが、「クラフトヤスリPRO」に比べて、より精密研磨が可能で、金属ヤスリながらフィニッシングペーパーと同じようなキメの細かい精密研磨やパーツのエッジ出し作業をこなせます。また、ミニ四駆やRCカーのパーツで使われているカーボンパーツやFRPパーツの加工にも使用できます。

▲ハードクロムコーティングが施されており、パテのような素材を削っても目詰まりしにくく、削りカスも簡単に落とせる。価格は2750~2860円

▲スケールモデルの精密研磨にも適している。また目詰まりのしにくさも特長だ

▲半丸タイプと丸タイプがあるがプラモデルの製作には、汎用性の高いフラットな面と曲面を持つ半丸タイプがオススメだ

 

▼タミヤ「エッチングヤスリ」

近年、プラモデルの製作シーンではディテールアップパーツとしてエッチングパーツを使用する機会が多くなりました。エッチングパーツには真ちゅう、ステンレスといった金属が使われます。薄く繊細なものが多く、切り離した際のゲートの研磨には細心の注意が必要です。

タミヤ「エッチングヤスリ」は切削力に優れたダイヤモンド微粒子が使われており、薄いエッチングパーツを削ってもヤスリが引っかかることなく、また動かす方向にかかわらず軽い力で削ることができるのが特徴です。

▲薄い金属板を使っているエッチングパーツは一度曲げてしまうと元に戻らないので、切り離したあとのゲート(パーツに残った凸部分)の研磨には必ず精密なエッチングヤスリを使いたい

 

【ここがポイント!】金属ヤスリの使い方

タミヤ「クラフトヤスリPRO」や「ハードコートヤスリPRO」などの一般的な金属ヤスリは、削る素材に対してヤスリを押し込むように前方向に動かして研磨するのが正しい使い方です。ヤスリの刃は押し込む時削れるようになっているので、引いても削れないのです(※ダイヤモンドヤスリなど研磨の方向性がない金属ヤスリもあります)。

またプラ材はヤスリの目に削りカスが詰まりやすいので、こまめに削りカスを掃除することでヤスリの性能を維持できます。

 

★達人流ヤスリの3ポイント

①ヤスリは多少高価でも質の良いものを選ぶ

②ヤスリは適材適所で使い分ける

③ヤスリといえどもメンテナスは欠かさないこと

 

>> 達人のプラモ術

<写真・文/長谷川迷人>

 

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