ナチュラルメタル感が魅力!メッキキット「飛燕」完成!【達人のプラモ術<飛燕>】

■貼付け後はしっかりと乾燥させる

デカールは貼った後に水分を拭き取りパーツの表面に密着させて、乾燥すればしっかりと定着します。しかし乾燥していない(水分が抜けていない)状態で触れてしまうと、しわが生じたり、気が付いたら曲がっていたなんてこともありがちです。なので貼ったデカールは乾燥するまで触らないのが基本です。ちなみに曲がった、しわが寄ったといったトラブルは、デカールが完全に乾いていなければ修正可能です。

▲凹凸のある部分は綿棒を使い馴染ませていく。デカールとパーツの間に空気が入っていたら針などで穴を開けて押し出す

▲デカールを貼ったあとヘアドライヤーの温風をあてることで、より密着させられ、乾燥も早くなる

 

■デカール軟化剤を使う

デカールのフィルムは質も良く、曲面にもよく馴染むのですが、機首左側の過給機用空気取口や主翼前縁の機銃口などは、凹凸があるためなかなかデカールが密着してくれません。

こうした場合は、デカール軟化剤(タミヤ「マークフィット」、Mr.ホビー「Mr.マークセッター」)を使うことで、しっかりと密着させられます。

▲タミヤ「マークフィット」はデカールを柔らかくする軟化剤。Mr.ホビー「Mr.マークセッター」は軟化剤に糊の成分も含まれている

▲垂直尾翼に貼るデカールにはパーツの凹凸に馴染ませるために軟化剤を使いたい

 

■キャノピーの枠はフィニッシュシートで再現

キャノピーは、塗装だとメッキ部分との質感の違いがでてしまうため、前回メッキパーツの合わせ目の修正で使用したフィニッシュシート(チタンフィニッシュ)を細くカットして、貼りこむことでキャノピーの枠を再現しています。

▲メッキの胴体と違和感が出ないように細くカットしたフィニッシュシート(チタンフィニッシュ)を貼ってキャノピーの枠を再現

 

■「飛燕1型丁」シルバーメッキ仕様完成!

駆け足で製作を紹介してきましたが、最後はデカールをしっかり乾燥(12時間~自然乾燥)させたのち、キャノピー、別に組み上げておいた主脚、主翼下増槽タンクを瞬間接着剤で取り付けていきます。

▲塗装とデカールで仕上げた主脚パーツ

プロペラは暗褐色に塗装後に、先端の黄色もあえてデカールを使って仕上げました。ナチュラルメタルな機体を再現したメッキ仕様のキットと迷彩デカールの組み合わせ、塗装はコクピットやプロペラなど最低限で抑えることでキットの魅力を最大限活かした仕様で仕上げています。

▲プロペラは塗装。先端の黄色はデカールを貼っている

メッキ仕様というと、オモチャっぽい仕上がりになってしまうんじゃないのと思われがちですが、いやいや喰わず嫌いはいけませんね。塗装では再現できない機体のナチュラルメタル感は実に魅力的。金属表現や迷彩塗装が苦手という方にもぜひ作っていただきたい良キットです。

▲機体の裏面は迷彩がないので、よりメッキによる金属感が強調された仕上がり。増槽のみシルバーで塗装している

 

★達人作「1/48 川崎三式戦闘機 飛燕1型丁」

 

★達人流製作のポイント!

①デカールはドライヤーの温風を使って密着

②貼りにくい場所はデカールを分割カットして貼る

③貼った後のデカールの位置修正はたっぷりの水を使う

 

>> 達人のプラモ術

<写真・文/長谷川迷人>

 

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