月着陸船と司令船をドッキングして「アポロ13号」いよいよ完成!【達人のプラモ術<アポロ13号>】

■LM上昇部の製作

月から飛び立つ上昇部が複雑な面取り形状をしているのは、徹底的な軽量化が図られた結果で、ほとんどの部分はアルミの骨組みに断熱のための金属箔を張っただけのハリボテ構造だからです。

▲組み上げたLM上昇部。窓はデカールで再現されるのでクリアパーツ化されていない

2人の宇宙飛行士が乗るクルーコンパートメントには座席もなく、立ったまま操縦します。当然ながらトイレもありません。

宇宙飛行士が月面に出る際には、船外用の宇宙服を着用。ハッチを開けると機内の酸素は全部排出されます。

キットは少ないパーツで上昇部の特徴的な形状を再現しています。組み立てに難しいところもありません。とは言うものの、機体本体パーツの接合面に僅かに隙間ができてしまうので、パテで修正しています。アンテナや姿勢制御用のバーニアノズルといった破損しやすいパーツは塗装のあとに取り付けます。

▲機体は前後合わせのパーツだが、矢印部分の接合面に隙間が生じるので、溶きパテを使って修正してやる

 

■難解な塗装はマスキングで

▲月面上のLM(アポロ11号)。ベコベコした外板と特徴的なブランケットが良くわかる ©NASA

LMの下降部は金色のブランケットシートで包まれていますが、上昇部はシートがほとんどありません。機体色を再現するためにシルバーに5パーセント程度ゴールド混ぜた色で塗装しています。

▲黒いブランケットで覆われた部分はマスキングで塗装していく。レーダーやバーニアは筆塗りで仕上げる

黒い部分(断熱シート)は塗分けが複雑で大変ですが、細かくマスキングをしてセミグロスブラックで塗装しています。背面部など一部わからないところもあるのですが、アポロ計画で使用されたLMはワンオフみたいなもの。黒いブランケットシートも、機体によって位置が違っているが悩ましいところです。作例はあくまでもキットの塗装図を参考に仕上げています。

▲上昇部のメインエンジンノズルも塗装するが…

▲下降部と合体させると見えなくなってしまう

▲塗装が完了したらLMにデカールを貼っていく。下降部は凸凹したブランケットの上に貼ることになるので、マークセッターを使ってデカールを馴染ませる

完成した上昇部は、下降部と合体させて月着陸船を完成させます。ちなみに着陸を果たしたLMの下降部は、当然ながら月面に残りますが、上昇部は地球の大気圏で燃え尽きたものや、月面に落とされた機体もあります。アポロ13号のLMは切り離された後大気圏に突入して燃え尽きました。

▲脚を広げた状態で完成したLM(月着陸船アクエリアス)。宇宙飛行士がバグ(虫)とかスパイダーと呼んだのも分かる昆虫的なスタイル

▲レーダー後ろの棒状パーツは司令船との接続用パーツ

 

【次ページ】あとは司令船とドッキングすれば完成

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