世界最速の戦略偵察機!マッハ3で飛行する”黒き怪鳥”を製作【達人のプラモ術<SR-71Aブラックバード>】

■キット紹介

SR-71はプラモデルでも人気があり、これまでも各スケールでプラモデル化されています。今回はドラゴン社から新たに発売されたキットを製作します。

実機のSR-71は全長32.73メートルもある大型のデルタ翼機。だから1/144スケールでも20cm近いサイズになります。

最新のキットということもあり、ディテールはシャープ。パーツも少なくまとめられているので、飛行機モデルビギナーにもオススメのモデルです。また小スケールですが、デカールはカルトグラフ(イタリアのデカール専門メーカー)が奢られています。

▲箱にはカルトグラフ製デカールの表記が入っている

▲キットにはカラーの塗装図が付属。マーキングは沖縄の嘉手納基地に駐留していた機体3機分が用意されている

ブラックバードの名の通り、機体は艶消しの黒一色で塗装されています。プラモデル的にも黒で塗装すれば簡単なのですが、それでは面白くありません。

SR-71のチタン製の機体は常に高温にさらされているため、黒というよりも濃いグレーといったイメージがあります。そこで今回の作例では、グレーを組み合わせることでリアルな実機の塗装を再現しようと思います。

またスケールが1/144ということもあり、スタンドを追加(キットには付属していません)して、見栄えのするデスクトップモデルとして仕上げてみましょう。

▲キットのパーツ数は35個とシンプル。これにカルトグラフ製デカールが付属する

▲完成後の機体のサイズは約20センチ

▲SR-71の特徴的な波板構造を持つ機体外板がシャープに再現されている

▲推力10トンを超える2基のプラット&ホイットニーJ-58エンジンは2パーツで再現

 

■コクピットの塗装

コクピットは1パーツで再現されているので、指定に沿って塗り分けますが、完成してキャノピーを取り付けるとほとんど見えなくなってしまいます。

▼Before

▲小さいながらシートに操縦桿、サイドコンソールもしっかり再現されている(完成後にはほとんど見えない)

▼After

▲指定に沿ってシートやサイドコンソールを塗装して仕上げる

▲500円玉と比較してもコクピットはこのサイズ

塗装を済ませたコクピットを胴体に収めて接着すれば、機体はほぼ完成してしまいます。パーツの合いは非常に良いのですが、機体の下側の接着線はパテを使って修正しておきます。

▲接着した胴体上下面はクリップでしっかりと固定しておく

▲ビン入りサーフェイサーを接着面に塗布して接合線を目立たなくする

▲サーフェイサーは乾燥後に削るのではなく、ラッカー塗料用溶剤で拭き取ることでモールド痛めずに仕上げられる

機体塗装はつや消し黒が指定されていますが、それだとのっぺりとした仕上がりになってしまうので、トーンの違うグレーを組み合わせてリアルな仕上がりを再現してみましょう。

▲右が指定のつや消し黒で塗装したもの。左は濃さの違うグレーで塗り分けたもの。グレーを組み合わせることで黒よりも黒らしいリアルなSR-71の質感を再現できる

シンプルなキットなので、その分塗装にこだわりたいところです。

次回は黒よりも黒く見えるようにグレーの組み合わせ塗装で機体の質感を再現していきます。

 

>> [連載]達人のプラモ術

<製作・写真・文/長谷川迷人>

 

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