■グレーを重ねて質感を出す
今回のメインである機体塗装では、3色のグレーを重ねることでSR-71の特徴的な高速飛行による熱焼けの質感を再現していきます。
使用するのはタミヤ製ラッカー。「LP-27ジャーマングレー」(以下GG)、「LP-65ラバーブラック」(以下RB)、そしてRBとGBに混ぜるカラーとして「LP-5セミグロスブラック」(以下SB)を使いますが、これは直接は使用しません。つまり黒は塗っていないということです。
またキットの繊細な凹モールドを潰さないために、下塗りのサーフェイサーは塗装していません。塗装はまずGGで機体全体を塗装して、RBをベースにSBを調色して明→暗といったトーンの違うグレーをエアブラシで塗り重ねて質感を再現しています。
■塗装のコツは線で色を描くこと
グレーを重ねて塗装する際にベタに面塗装してしまうと、グレーは隠ぺい力が強いため下地を塗りつぶしてしまいます。面塗りではなく、エアブラシの細吹きで線を描くように塗り重ねることで、SR-71の特徴でもある熱焼けによる質感を表現できます。
* * *
塗装は、実機のリアルを再現するためのものですが、今回は1/144のSR-71としてのリアルさ、模型的に見栄えがする(要するにカッコ良い)塗装を心がけて仕上げてみました。次回はデカールを貼りと、ディスプレイスタンドを使ってのデスクトップモデル仕上げを紹介していきます。お楽しみに!
>> [連載]達人のプラモ術
<製作・写真・文/長谷川迷人>
【関連記事】
◆映画にもなった宇宙船「アポロ13号」の破損状態を製作!【達人のプラモ術<アポロ13号>】
◆ジュラルミン&蛇行迷彩「飛燕I型丁」のメッキ仕様キットを製作!【達人のプラモ術<飛燕>】
◆第二次大戦時のアメリカ海軍空母“ビッグE”を洋上ジオラマで製作!【達人のプラモ術<米海軍空母エンタープライズ>】
- 1
- 2