今年こそノートPCに外付けディスプレイ! 選ぶ際に知っておくべきこととは

■ディスプレイの仕様をチェック

そして、ここまで作戦を練ったうえで、最後にようやく考えるのが、ディスプレイとしての仕様です。ここまで読んでいただいた人ならば、価格はもちろん、サイズ(インチ数)や、解像度くらいまでは自力でチェックできるはず。しかし、そのほか確認しておきたい項目もたくさんあります。ここではポイントを6つに絞って紹介しましょう。

1)グレアとノングレア
2)パネルの種類(TN液晶/VA液晶/IPS液晶)
3)表示色
4)フリッカーフリー/ブルーライトカット
5)チルト/スイベル/ピボット/高さ調整の対応
6)Webカメラとスピーカーの有無

▲外付けディスプレイについて、チェックしておきたい代表的な仕様

まず、ディスプレイ表面の質感は、「グレア(光沢あり)」か「ノングレア(光沢なし)」かで、大まかな傾向が分かります。前者は色味が綺麗に映る反面、ユーザーや照明の映り込みが気になりがち。一方、後者は映り込みが少ない分、色味の鮮明さが失われがちです。製品によってその強弱は異なります。

ディスプレイの種類としては、大きく有機EL(OLED)と液晶に分かれます。有機ELを採用した製品は、深みのある黒の表現ができるのが特徴です。ただし、大型のディスプレイでは高額になりがちなので、よほどのこだわりがなければ、実質的には液晶パネルを選択することになるでしょう。

液晶パネルの種類としては、大まかにTN/VA/IPSの3系統が存在します。細かい特徴の説明はここでは省きますが、応答速度重視のゲーミングならTN、コントラスト比重視の映像鑑賞ならVA、写真編集など色味重視ならIPSのようにそれぞれ一長一短があり、得意分野が異なることを覚えておきましょう。

特に色にこだわる場合には、表示色の違いもチェックが必要です。これは表現できる色の種類のことで、覚えておきたい数字は主に3つ。約1619色(擬似フルカラー)、約1677色(フルカラー)、約10億7374万色です。後者になるほど、表現できる色は増えます。

長時間画面に向かい合う場合には、フリッカー(ちらつき)が生じないことも重要です。液晶パネルを用いたディスプレイには光源となるバックライトが必要ですが、そのバックライトにLEDを採用している場合、点滅の間隔で輝度を調整する「PWM調光」だとこのフリッカーが生じやすいとされます。一方、電流の増減で輝度を挑戦する「DC調光」ではフリッカーが生じにくく、これを採用する製品が「フリッカーフリー」として紹介されているようです(メーカーや製品によってちらつきをカットするための技術名や詳細は異なります)。

同様の傾向として、ブルーライトをカットする機能を備えている製品もあります。もし夜間の作業で、白色が目にキツいと感じる人は、こうした機能もチェックしておくと、別途ブルーライトカットのメガネ等を使わずに済むでしょう。

ディスプレイスタンド側の角度調整機能としては、チルト(上下)/スイベル(左右)という首振りを表す用語を覚えておきましょう。上下に何度、左右に何度角度を変えられるのか、を示します。

また、スタンドとして上下に伸び縮みする高さ調整機能の有無や、ディスプレイ角度を縦向きに回転できるピボット機能などの有無も合わせて確認しておきましょう。特に高さ調整については、楽な姿勢で作業しやすくするうえで重要な仕様です(高さ調整非対応でも、モニター台を別途購入すれば微調整をすることはできます)。ピボット機能は縦長写真・動画の編集や、SNSのタイムラインチェック、ブログ執筆など特定用途では重宝する機能ですが、多くの場合必須ではないかもしれません。

テレワークを前提とする場合には、ディスプレイ自体にWebカメラやマイク・スピーカーが備わっているモデルを選ぶと、周辺機器を追加購入する必要がなくなります。特に、Webカメラについては、ノートPCの内蔵カメラを使いながら外付けディスプレイを見上げると、不自然な角度になりがちなので、写り方にこだわる場合には意識して選んでみてはどうでしょうか。

*  *  *

具体的な商品に目を向けてみると、一言で「外付けディスプレイ」と言っても、価格によってピンキリなことがわかるはずです。例えば、ECサイト上には、数十万円するゲーミングやクリエーター向けのディスプレイから、数万円で購入できるモバイルディスプレイまで、膨大な選択肢が並んでいます。しかし、本稿で紹介したポイントにざっと目を通した皆さんならば、自力で運用スタイルに合った一台を見つけられるはずです。ぜひ、外付けディスプレイを導入して、在宅ワークで感じていたストレスの一部を解消してみてください。

 

<文/井上 晃

井上 晃|スマートフォンやタブレットを軸に、最新ガジェットやITサービスについて取材。Webメディアや雑誌に、速報、レビュー、コラムなどを寄稿する。Twitter

 

 

 

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