1. アマゾンプライム会員なら追加料金なしで「Amazon Music Prime」を使える
音楽サブスクに「Amazon Music」を使う人が多い理由が、アマゾンプライム会員が利用できるサービスに含まれる「Amazon Music Prime」の存在です。ネット通販用としてアマゾンプライム会員になっていれば、追加料金なしで200万曲が聴き放題。曲数は少なめですが、例えばYOASOBIやBTS、Official髭男dismといった人気アーティストの楽曲も、最新からは若干遅れてになりますが配信されていて、結構実用的なラインナップです。
iPadで聴く場合は「Amazon Music」アプリを使います。このアプリは、有料版にあたる「Amazon Music Unlimited」と同じもの。なので広告も付かないし、オフライン再生もできます。「Amazon Music Prime」を利用する場合はハイレゾや空間オーディオなどは無く、通常音質の320kbpsの音楽リスニングのみになります、それでもお試しとして使うなら十分です。
2. 完全無料の「Amazon Music Free」もある
「Amazon Music」には「Amazon Music Free」という完全無料のサービスもあります。曲数は7500万曲なのですが、
・広告付き
・選曲はステーションのシャッフル再生専用
・曲のスキップは1時間に6回まで
という、ラジオのようなリスニングを想定したサービスです。それでも楽曲はフルで聞けることがメリット。「Apple Music」には無料サービスがないので、BGMのように音楽リスニングしたい人には便利ですね。
ちなみに月額980円の「Amazon Music Unlimited」も、無料体験3ヶ月を提供中。「Apple Music」も同じく無料体験3ヶ月…。音楽サブスクの無料体験でもライバル同士で競い合っていたりします。
3. UltraHDのハイレゾ・ロスレス高音質配信に対応
「Amazon Music」の中で最もスタンダードかつ全部入りのプランが、7500万曲を配信する「Amazon Music Unlimited」です。通常の個人プランは月額980円ですが、Amazon Prime会員なら月額780円に割引されます。
そんな「Amazon Music Unlimited」ではCDと同等音質のHD、または高音質のUltraHD配信も充実。UltraHDについては、以前は「Amazon Music HD」として別料金でしたが、2021年6月からアップルに対抗する形で「Amazon Music Unlimited」に含まれるようなり、お得さを増しています。
HD/UltraHDの高音質配信を有効にするには、「Amazon Music」アプリの設定画面にある<ストリーミング設定>から、Wi-Fi接続時とモバイルデータ通信時の音質を適宜<HD/UltraHD>に、また<ダウンロード設定>からダウンロード時の音質に<HD/UltraHD>を選択しましょう。
「Amazon Music」の高音質配信は、技術的には「Apple Music」のロスレスオーディオとほとんど同じ意味になります。
HD音質=ロスレス=48kHz/24bitおよび44.1kHz/16bitの音声フォーマット
UltraHD音質=ハイレゾロスレス=最大192kHz/24bitの音声フォーマット
「Apple Music」でも紹介した外付けUSB DACを使ったハイレゾロスレス再生も可能です。
最高音質のUltraHDで配信している曲は、「Amazon Music」の方が「Apple Music」より充実しています。2022年1月時点の人気曲を調べてみると、例えば、KingGnuやマカロニえんぴつ、Official髭男dism、YOASOBIなどのアーティストは、「Amazon Music」のみUltraHDの最高音質で配信中。
ちなみに、ライブラリ全体の曲数ではAmazon Musicの7500万曲に対して「Apple Music」は9500万曲。HD/ロスレス音質までの曲数で選ぶなら、「Apple Music」の方が良さそうです。
4. 空間オーディオはDolby Atmosと360 Reality Audioに対応
「Amazon Music Unlimited」に契約していれば、「Amazon Music」でも空間オーディオに対応しています。技術的にはDolby Atmosおよび360 Reality Audioでマスタリングされた空間オーディオになります。開始当初はソニー製スピーカーなどとの組み合わせが必須でしたが、2021年10月より「Amazon Music」のアプリを使えば、特別なヘッドホンなしで試聴できるようになりました。
空間オーディオを体験するには、「Amazon Music」アプリの設定画面にある<ドルビーアトモス/360 Reality Audio>の設定をオンにしましょう。対応曲はさほど多くありませんが、邦楽ではYOASOBIやAdoなど、海外ではエド・シーランやエリック・クラプトンなど、国内外のビッグアーティストの新譜に対応曲が多数登場しています。「Amazon Music」「Apple Music」の両方で空間オーディオとして提供されている楽曲も多いようです。
「Amazon Music」の空間オーディオは、空間に音が漂う新しい音楽体験です。iPadの内蔵スピーカーでも聞けますが、AirPods Proのイヤホンで聴く方が効果大。
「Apple Music」の空間オーディオは空間の中でハッキリ鮮明に浮かぶ聴こえ方で、AirPodsシリーズと組み合わせればヘッドトラッキングも有効といったものです。両者やや目指す方向性が異なりますが、どちら新しいリスニング体験を届けてくれますよ。
5. AlexaやAmazon Echoとの連携もスムーズ
Amazon系サービスやデバイスとの親和性重視という考えから「Amazon Music」を選ぶのは、個人的にはアリだと思います。「Amazon Music」のアプリが起動中なら、「アレクサ、○○の曲を流して」と音声アシスタントのAlexaによる音声操作にも対応します。
また、スマートスピーカー「Echoシリーズ」との連携もスムーズ。例えば、「アレクサ、リビングで○○の曲を流して」とアレクサ経由でEchoで音楽を流せるようになるし、音声操作を活用しなくても「Amazon Music」アプリから、家庭内のEchoシリーズのスピーカーを指定して再生もできます。
もちろん「Apple Music」なら、そもそもiPad OSに音声アシスタントのSiriが組み込まれているから、アプリ起動なしに音声操作もできるしHomePod miniとも連携します。でも、スマートスピーカーはEcho派なんだよな…という人は、サブスク音楽配信も「Amazon Music」を軸に考えておいた方が、扱いやすいと思いますよ。
<取材・文/折原一也>
折原一也|1979年生まれ。PC系出版社の編集職を経て、オーディオ・ビジュアルライター/AV評論家として専門誌、Web、雑誌などで取材・執筆。国内、海外イベント取材によるトレンド解説はもちろん、実機取材による高画質・高音質の評価も行う。2009年によりオーディオビジュアルアワード「VGP」審査員/ライフスタイル分科会副座長
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