■転輪(足まわり)の製作
車体の左右の転輪はそれぞれ独立しており、駆動力を伝えるスプロケットホイールが高い位置に取り付けられているなど、一般的な戦車とは違った、建機なのだなと思わせてくれる構造がなかなか面白い「D9R」。
転輪は基本的に接着ですが、スプロケットホイールは履帯を噛み合わせる関係で可動(回転)します。しかしこの足まわりって某アニメのガン〇〇クに似ている…いやあっちが似せているのかも(笑)。
▲足まわりがユニットになっていて、左右が独立している。キットは胴体と別に組めるので作業しやすい
▲転輪が収まるH3、H4、H5、H6のパーツは裏側に突き出しピンの跡が大きく出っ張っており(矢印の部分)、そのままでは転輪を組みつけられないのでカットする必要がある
▲転輪が収まるパーツの裏側は後から塗装できないので、この時点で黒に塗っておく
▲塗装とアイドラーホイールの取り付けが終わった状態
▲左右を合わせてしっかりと接着しておく
▲組み上がった左右のユニットとスプロケットホイール。足回りはこの4点で完成。これに履帯が組み合わさる
■履帯の製作
いよいよ今回のハイライト、履帯を製作していきます。キットはプラ製の組み履帯が付属。それなりにリアルな仕上がりになりますが、今回はフリウルモデルの金属製履帯を使います。
パーツ構成自体はキットと同じで、3個のパーツで1枚の履帯を再現。それを片側43枚、両側で86枚連結していきます。
想定外だったのが、フリウルのパーツは連結用のピンを貫通させる穴が小さく、そのままでピンが差し込めなかったこと。そのため、笹刃タイプのきさげカッターで穴を削って広げることに(粛々と172個のパーツの穴を広げました…)。
▲キットのプラ製組み履帯。もちろんそのまま使用しても十分鑑賞に耐えるディテールを再現できる
▲フリウル製履帯も構成はキットと同じ。片側で43枚、左右で合計86枚使用するが、セットには10枚程度多めに入っている
▲フリウル製履帯の組み立てガイドはこれだけ(笑)。でも図解で理解できるので大丈夫
▲パーツを3個一組で組んで連結していき履帯1枚を再現。これを左右それぞれ43枚繋いでいく
▲パーツは連結用の穴が小さくピンが通らなかったため、きさげカッターで穴を削り広げる必要があった。ホワイトメタルなので簡単に削れるが、左右合わせて172個もの穴を削らなくてはいけない
▲パーツの穴を広げるのに使用した笹刃きさげカッター。本来はパーティングラインを削るなどの作業で使用する。ホワイトメタルはプラよりも柔らかいので削れる。童友社製:価格1980円
▲組み立てが完了した金属(ホワイトメタル)製履帯
▲実物同様にカクカクと折れ曲がるのがリアル
▲フリウルの金属性履帯を使ってディテールを大幅にアップ!
パーツはホワイトメタルなので接着には瞬間接着剤を使用します。ちなみに左右の履帯を組み上げるのに半日かかりました。組み立ては苦労しますが、車体に仮組みしてみると、やはり各段にリアルさがアップ。金属製ということもありますが、見た目の重量感も増し増しになりますよ。
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