■ちょっと壊して(ダメージ表現して)みた
D9Rの実車の写真を見てみると、ドーザーブレード上部に取り付けられているスリット部分が破損、あるいは折れ曲がっていることが多いようなので、作例では“戦場のブルドーザーらしいダメージ表現”を意識して、ニッパーでスリットの一部を切り取り、折り曲げることでダメージを再現してみました。
■デカールを貼る
ウエザリング塗装をする前に、デカールを貼り込みます。数は少ないですが、車体側面に記された車体番号と、ヘブライ語の赤い注意書き? が良いワンポイントになります。
■ウエザリング塗装
IDFグレーでの車体の塗装が終わったら、いよいよウエザリング(汚し)塗装を入れていきます。がれき処理などをする重機なので、使い込まれて塗装が退色したり、剥げて金属がむき出しなったり、錆びているドーザーブレードや履帯の一部に土くれが固着していたりするなど、戦車とはまた一味違った汚れ方をしています。そこで、次回は塗装とウエザリング用テクスチャー素材で、乾いた土汚れと塗装が剥げたことでむき出しになった金属や錆といった重機の汚れを再現していきます。
次回は完成に向けて、使い込まれた重機による戦場の再現を目指し、さらにリアルなウエザリングを入れてきます。乞うご期待!
■今回使用したアイテム
タミヤ
「スミ入れ塗料(ブラック)」(396円)
「スミ入れ塗料(ブラウン)」(396円)
本来は、飛行機モデルやカーモデルのパネルライン(凹モールド)に流し込むことで立体感を強調する、スミ入れ用のエナメル塗料です。エナメル塗料はラッカーの塗膜を侵しません。今回は、Mr.カラー(ラッカー系塗料)のIDFグレーで塗装した車体へブラックとブラウンのスミ入れ塗料を車体各部に塗布、乾燥後に綿棒を使いエナメル溶剤で拭きとるウォッシング(※薄めのエナメル塗料を模型全体に塗って、拭き取ることで汚れを再現する技法)を施しています。
AKインタラクティブ
「AK10047 ウェザリングペンシル・デラックスボックス」(7920円)
ウエザリングペンシルは、汚れやチッピング塗装(※塗装がはがれて下地や金属地肌が出た状態を再現する塗装方法)で使用する模型用の水彩色鉛筆です。
そのまま塗装面に描きこめばスクラッチ状の傷や塗装が剥げたエッジ部分の質感を、筆でぼかせば乾いたホコリを表現できます。
また水性顔料なので、濡れた筆で伸ばすとサビやオイルの滲み、雨だれなど様々な汚れの質感を再現します。使用したのは全色セットですが、用途に応じた5本セット、また1本単位での購入も可能です。
■次回登場アイテム
タミヤ
「情景テクスチャーペイント(土 ダークアース)」(880円)
「情景テクスチャーペイント(砂 ライトサンド)」(880円)
情景作品のベースを製作時に使用する、セラミック粒子が配合されたペースト状の水性塗料です。土や泥、アスファルト、雪や草などが再現可能です。粘度があるので、厚く盛りつけたり、薄くのばしたりできます。次回はダークアースとライトサンドを使用して、ドーザーブレードの履帯にこびりついた土塊などを再現します。
>> [連載]達人のプラモ術
<製作・写真・文/長谷川迷人>
【関連記事】
◆世界最速の戦略偵察機!マッハ3で飛行する”黒き怪鳥”を製作【達人のプラモ術<SR-71Aブラックバード>】
◆第二次大戦時のアメリカ海軍空母“ビッグE”を洋上ジオラマで製作!【達人のプラモ術<米海軍空母エンタープライズ>】
◆海外モデルの組み立てはパーツの洗浄から!【達人のプラモ術<タイガーⅠ編>】