砂漠地帯らしい汚れを施し装甲ブルドーザー「D9R」完成!【達人のプラモ術<D9R装甲ブルドーザー>】

■テクスチャーペイントを使って砂礫を表現

車体や足回りの砂礫の表現にはさまざまなアイテムが使われています。今回はペースト状のタミヤ情景テクスチャーペイントのライトサンド(明るい砂の色)とダークアース(泥の色)を使って、車体や履帯周りの汚れを再現します。

テクスチャーペイントはペースト状なのでそのままでは塗り伸ばしがしにくいのですが、タミヤアクリル溶剤で希釈することで筆で薄く塗り伸ばすことや重ねて厚みも出すことも可能です。乾燥後の定着性も良く、乾燥後にデザインナイフやヤスリで削ることで剥がれた感じを表現もできます

▲タミヤテクスチャーペイントはアクリル溶剤で希釈することで、薄く塗りのばすこともできる。今回は筆塗りしやすいように3倍程度に希釈

▲薄めたテクスチャーペイント(ライトサンド)を履帯と車体の下回りに塗布していく

▲車体後部のリッパーも下回りを中心にテクスチャーペイントを塗布して砂礫まみれに仕上げていく

 

■スミ入れ塗料で錆の表現

テクスチャーペイントが乾燥したら、その上からタミヤスミ入れ塗料のブラウンとダークブラウンを使って転輪周りや車体外板に錆色を入れていきます。また車体のグリル部分や大きな吸気筒には同じスミ入れ塗料のブラックを使ってディテールを強調しています。

ドーザーブレードはむき出しになった地肌を再現するために、前回の塗装で下地のオキサイドレッドを残した部分の上からダークシルバーでドライブラシを入れます。そしてウエザリングペンシルのシルバーでスクラッチ傷を描き込み、そこからテクスチャーペイントとスミ入れ塗料でガッツリと汚しています。

▲ドーザーブレードを車体から外し、ドーザーブレードと車体、それぞれにウエザリングを進めていくと作業がやりやすい

▲車体のドーザーブレード基部のボルト周り、スプロケットホイール、履帯の接続ピンにはスミ入れ塗料のブラウンとダークブラウンで錆と油汚れを再現。また車体側面のグリルはブラックのスミ入れ塗料を流し込んで奥行き感を強調

▲ウエザリングを施したドーザーブレード。下側は塗装が剥げて地肌がむき出しになった状態を再現

▲スクラッチ状の汚れはウエザリングペンシルで描きこんでいる。破損を再現したスリット状の部分にはスミ入れ塗料で錆を再現している

▲車体側面の足場プレートにはスミ入れ塗料で錆び感を入れることでアクセントとしている

 

■ウエザリングはほどほどがちょうどいい?

ウエザリング塗装は作品の表情がどんどん変化していくので、ぶっちゃけすごく楽しい作業です。ありがちなのが、もう少し汚そう、もうちょっと汚して~…などと繰り返しているうちに不自然なまでに汚れた作品になってしまうこと。やりすぎて泥の跳ね上がりが不自然な方向になってしまっているなどにも注意が必要です。

慣れないうちは全体のバランスを見ながら「まぁこんなモンかな」とちょっと控えめ位に仕上げるのが失敗しないコツです。

▲ドーザーブレードを外した状態でウエザリングを仕上げた車体。履帯周りの砂礫汚れはかなりガッツリと表現

▲ウエザリングを終えたら、ウインドウ部分マスキング剥がしていく

▲取り外せるようにした天板には機銃を取り付ける

▲内側には無線機などが再現されている

▲天板を外すと精密なコクピットを見られる

 

【次ページ】他キットからの流用で展示ベースをサクッと製作

この記事のタイトルとURLをコピーする