■さらに効率的なテキスト選択の方法
実は、テキストエディタ上での編集時に限り、さらにタップの回数を増やしていくことで、選択操作を効率化できます。
例えば、3回連続タップすることで、単語ではなく一文のまとまりや段落を選択されるようになります。広い範囲をコピーする際に、毎回エリアを手動調整していたという人は、ぜひタップ回数を増やしてみてください。
なお、「3回タップで文、4回タップで文章を選択」のように分かれたりはしません。iPadOS 15.4で実際に操作を確かめてみると、「。(句点)」の有無を選択範囲として区別していないのがわかります。基本的には、3回タップした際に、“改行されるまでのまとまり”が選択されるようです。
一方、タップ回数を増やしても対応できないのが全選択操作です。こちらはタップを1度行い、カーソルが表示された位置を少し間を開けて(連続タップにならないように)もう一度タップします。そこでメニューに表示された「すべてを選択」を選ぶという手順を踏まなくてはいけません。
■マウスやキーボードがあるとより快適に
周辺機器を揃えた人は、カーソル操作でテキスト選択をするとより効率的です。まず前提として、マウスやトラックパッドでポインタ(カーソル)を動かしている際にも、タッチ操作と同様に、クリック回数によって単語やブロック単位の選択操作が行えます。
そして、さらにPCと同様に、カーソルのドラッグ操作によって任意のエリアをまとめて選択できるのが特徴です。ブロックの途中のここからここまでを選択、といった操作はマウスやトラックパッドがあった方がやはり効率的です。
キーボードがあれば、全選択もショートカットコマンドで簡単に行えます。Command + Aキーを同時押しすることで、全選択になります。
ちなみに、マウスやトラックパッド、キーボードがない場合には、Apple Pencilを使ってみるのもひとつの手です。操作方法はタッチ操作と同じになりますが、選択範囲を微調整するときにより緻密なコントロールが可能になります。
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一点補足しておくと、今回紹介した選択操作の方法はメモアプリなど、テキストエディタ上での挙動になります。
例えば、ブラウザ上の記事など、テキストを入力できない画面(テキストカーソルが表示されない画面)では、タップ操作で入力位置指定になりませんし、2回タップでも選択できません(ただし、カーソル操作では2回クリックが選択操作になります)。指の操作でブラウザ上のテキストを選択するには「長押し」操作をすることで、単語単位での選択をしなくてはならないのです。
また、ブラウザ上の記事などで全選択操作を行うには、キーボードのショートカットキー操作を使うしかありません。せめてカーソルを指定したときだけでなく、テキストを選択した際にも「すべてを選択」メニューが出たらよいなと思うのですが、現状はそういった操作は用意されていないようです。PDFのテキストとかでは「すべてを選択」が出るんですけどね。
とにかく、テキスト選択の操作は、場面によって多少挙動が異なると認識しておきましょう。
<文/井上 晃>
井上 晃|スマートフォンやタブレットを軸に、最新ガジェットやITサービスについて取材。Webメディアや雑誌に、速報、レビュー、コラムなどを寄稿する。Twitter
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