■コンデンサーマイクを使うとガチ度が違う
「JBL Quantum Stream」というコンデンサーマイク、もうその佇まいから本格感がありますよね。
オンライン会議のマイクって、頑張ってもイヤホンに付いているものやヘッドセットのブームマイクがほとんど。そんななか、自分の前に自立するコンデンサーマイクを置いちゃうと、一気にプロのキャスターっぽい雰囲気が出るんです。
スペックは96kHzの高サンプリングレート。スタンドで角度をつけて自分の方に向けられます。ちなみにスタンドは取り外すこともでき、一般的なカメラ三脚での固定も可能です。
正式な対応デバイスはWindows/Mac、PS5、NintendoSwitchですが、一般的なオーディオデバイスとして動作するので、iPad ProのUSB-C端子でも問題なく使えます。ちなみに付属ケーブルはPC接続用の一般的なUSB-Aタイプなので別途USB-C to USB-Cケーブルを用意しています。
USBコンデンサーマイクを使うなら、モニター用のヘッドホンも別途用意しましょう。マイク部分底面のモニター出力端子(3.5ミリのステレオミニ端子)にAKGのヘッドホンを接続しました。
iPadでは出力の仕様上、この端子に何も繋がないと全ての音声が聞こえなくなってしまうので、有線イヤホンなどを繋いでおきましょう。出力の音量はマイクのダイヤルで調整できます。
「JBL Quantum Stream」にはマイク本体で操作できる機能もあります。1つは天面のタップでミュート/ミュート解除。LEDが緑の時がマイクオンで、赤の時がマイクオフ。またダイヤル長押しで単一指向性と全指向性を切り替えられます。このモードの動作状態は前面のLEDのカラーで判別できます。
さて、「JBL Quantum Stream」を実戦投入…する前に、自分のマイク音声がどう聞こえているか、確認したくありません? そんな時使えるアプリがあるんです。それがアップル純正の無料アプリ「GarageBand」。本来なら歌や楽器の音を録音して作曲するためのツールですが、マイク入力を短時間録音して確認する用途にも活用できます。
さっそくテストしてみると、さすが高音質。特に細かな声色やニュアンスまで拾う情報量はとても優秀。
そしてオンライン会議前に確認しておきたいのが、指向特性の選択。ひとりで参加するなら、ノイズに強く、細かな音が聞こえる単一指向性の設定が基本ですが、この場合、通話時に口をマイクに近づける必要があります。もう少しラフに、環境音程度なら拾ってもいいのであれば、あえて全指向性で使う選択もアリかなと。
そんな下準備を経て「JBL Quantum Stream」をオンライン会議に実戦投入。といっても、「JBL Quantum Stream」はマイクであって、こちらの声は相手側で音になるわけで、自分の通話音声がどれだけ高音質に届いているか分かりませんよね。
でも、僕の業界だと気心知れた相手とオンライン会議していると、使っている機材のことが時々話題になるんです。ビデオオンで参加して、機材が写り込んでいるとなおさら。
「あれ、今日は声がクリアに聞こえていますね。何で参加しているんですか?」
なんて聞いてくれたら、しめたもの。
「ビデオ会議用に新しいUSBコンデンサーマイクを導入しちゃって…」
とドヤ顔でアピールしてみます(笑)
ビジネスで普通に使われるようになってきたオンライン会議ですが、通話音質に気を配っている人は少数派。だからこそ、超高音質なマイク音声で本気度をアピールするのは、今どきのビジネスパーソンにもアリなんじゃないかと思います。実勢価格1万円前後でお手軽に使える「JBL Quantum Stream」は、そんな目的にもピッタリですよ。
<取材・文/折原一也>
折原一也|1979年生まれ。PC系出版社の編集職を経て、オーディオ・ビジュアルライター/AV評論家として専門誌、Web、雑誌などで取材・執筆。国内、海外イベント取材によるトレンド解説はもちろん、実機取材による高画質・高音質の評価も行う。2009年によりオーディオビジュアルアワード「VGP」審査員/ライフスタイル分科会副座長
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