■ファリモンドフリクション・ヒッチの結び方
最初はちょっと難しいのですが、覚えてしまえば、自在結びより工程が少なく早く結ぶことが可能なファリモンドフリクション・ヒッチ。
【ステップ1】ロープを木に回して輪っかを作る
今回は木で試しましたが、ペグに置き換えても大丈夫です。
左のロープが写真下から上へ引っ張られてきて、木に巻かれて、右のロープを下に引っ張ることでテンションがかかってきます。ロープを木に巻いたら、輪っかを作ります。
この時、輪っかは上から来ているロープの下を通すように作ってください。これを間違うとできなくなってしまうので、注意してください。
【ステップ2】作った輪っかを左側のロープに巻く
このように、左側のロープの上から巻くようにしてください。
上から内側に2回巻きます。この“2回内側に巻く”ということが重要です。
以前紹介した「プルージック・ノット」と同様の考え方です。
【ステップ3】ステップ2でできた輪っかに、ロープを折り返して通す
ここがちょっと難しいのですが、ステップ2の2枚目の写真で右下方向に降りているロープを折って、ステップ2でできた輪っかに通します。
この時、木を通したロープの右側に来ているロープの下から上を通して、左の先ほど作った輪っかに入れるようにしてください。
【ステップ4】形を整えて仕上げ
先ほど、ステップ3で通してできた輪っかを、写真のように左下方向に引っ張り、ステップ2で2回巻いた結び目の上下を中央に寄せて、結び目を固定させます。
輪っかを左下方向に引っ張る時は、輪っかの上部を引っ張るようにすると結び目が固定されます。
【ステップ5】最後に枝を差し込む
ステップ4のままでもいいのですが、最後にできた輪っかに枝を差し込んでおくと、引っ張っても引きとけ部分が解けないので安心です。ちょっとした工夫がテントやタープの崩壊を防ぐので、この気遣いはやっておきましょう!
■「自在結び」と比べてみた!
今回、キャンプで「ファリモンドフリクション・ヒッチ」を使って、自在結びと比較したので、優れている点と劣っている点を整理しようと思います。
私の中での良いロープワークの定義ですが、簡単に結べて解けず、強度が高いのに、撤収時には簡単に解ける。これが本当に大事だと思っています。
この観点からいうと、ファリモンドフリクション・ヒッチは、結び目を作る工程が一般的な自在結びと比べて少なく、時間短縮にもなります。それでいて、テンションを強く張れて、さらに一瞬で解くことが可能です。
今回使ってみた状況下では最大風速5〜6m/sと少し風がある状況でしたが、ロープはびくともせず、朝まで緩むということはありませんでした。従って、強度は自在結びと同程度はあるかと思います。
難点は結びが若干複雑で、理解するのがちょっと難しいところ。
あともうひとつすごく気に入った点は、この結びはロープの中間地点で完成させられるので、自在結びのように長いロープをいちいち端っこまで手繰り寄せなくても、完成するというところが、本当に便利なのです。
自在結びは先端から巻いていかないとこんがらがってしまう上、何度も巻いていかなければならないのでロープの長さがある時は不向き。
さて、いかがでしたでしょうか? ファリモンドフリクション・ヒッチは自在に長さ調整ができて、タープやテントを張る時や木と木を結んでリッチラインを取るような時に便利なロープワークです。
ちょっと結びは複雑ですが、覚えてしまえば強度が高くて、早く結べて、さらに簡単に解くことができる万能なロープワークですので、ぜひマスターしてみてください! 私も現段階では、自在結びよりもこちらのファリモンドフリクション・ヒッチを使っていくつもりです。
>> 連載 [不自由を自由にする野営スタイル]
(文・写真/RYU)
RYU/「不自由は自由だ!」をモットーに、不便さの中でいかに快適に過ごせるかを考え、キャンプをしております。 経験、スタイルを問わず、少しでも参考になる情報を発信して行きたいと思います。Instsgramアカウント:@ryu chikazawa、YouTubeアカウント:Ryu outdoor ch #不自由は自由だ #アウトドアをこじ開けよう「初代 @sotoshiru アンバサダー」「@tobuy_official インフルエンサー」
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