舞台は1920年代!イタリアの双胴飛行艇を製作【達人のプラモ術<サボイア マルケッティ S.55>】

【達人のプラモ術】
DORA WINGS(ドラウイングス)
1/72 サボイア マルケッティ S.55 大西洋横断記録機
01/04

さて今回から新テーマがスタート! アイテムは深海から再び大空に戻ります。選んだキットはウクライナの模型メーカーDORA WINGS(ドラウイングス)が発売した双胴の飛行艇「サボイア マルケッティ S.55」。飛行艇と言えば思い出すのはあの映画ですよね。そして男のロマン(毎回こればっか)が詰まっております。でもね飛行艇ってカッコ良いんですよ! 模型映えするんですよ! というわけで今回は「サボイア マルケッティ S.55」を作ります![全4回の1回目/2回目はこちら

長谷川迷人|東京都出身。モーターサイクル専門誌や一般趣味雑誌、模型誌の編集者を経て、模型製作のプロフェッショナルへ。プラモデル製作講座の講師を務めるほか、雑誌やメディア向けの作例製作や原稿執筆を手がける。趣味はバイクとプラモデル作りという根っからの模型人。YouTubeでは「プラモ作りは見てナンボです!「@Modelart_MOVIE」も配信中。

 

■赤き飛行艇の時代

タイトルだけみたら、映画『紅の豚』に登場するポルコ・ロッソの愛機「サボイア S.21」を作るのかと思っちゃいますよね。でも残念。劇中の「サボイア S.21」は架空の飛行艇ですが、今回製作するのは1920年代に実在した「サボイア マルケッティ S.55」です。でもこの飛行艇『紅の豚』劇中でも登場しているんですよ。ラスト近く、ポルコとカーチスが勝負をしている小島に出動してくるイタリア空軍の飛行艇がS.55です。

ちなみに1920年代当時、高速機は陸上機より水上機(飛行艇)が多かったのはなぜかご存知ですか?

当時の飛行機は離着陸距離を短縮できるフラップなどの高揚力装置がまだ装備されておらず、スピードを追求すると離陸には舗装された長ーい滑走路の必要になってしまいました。しかし飛行艇ならば広大かつ障害物がない水面を滑走路代わりに利用できるというワケです。大きなフロートや艇体は空力的には不利でしたが、水面を滑走路代わりに使うことでスピードの出る機体を採用できたという理由があったワケです。

▲達人自宅の廊下にかかるサボイアS.13飛行艇のイラスト。25年ほど前にローマの蚤の市で見つけて購入したもの。サボイアの飛行艇は赤が良く似合うのだ

 

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