■機体各部の製作
さて、機体の塗装と組み立てですが、組み上げた主翼と双胴の艇体、後部の胴体フレーム、水平尾翼と垂直尾翼を組み合わせた部分に分けて進めていきます。特徴的すぎる機体構造ゆえ、機体全体を組み上げての塗装が難しいのと、組み上げてしまうと、後部フレームなどに強度がないため、マスキングなどが困難という理由から、それぞれを塗装してのち、組み上げます。
機体後部で尾翼を支えるフレームは、主翼と艇体の2カ所で固定されるのですが、こんな構造で大西洋横断できたんかいと不安になります。模型的にも明らかに強度がないので、接合部分は0.5ミリのしんちゅう線を埋め込んで補強しています。同様に3枚ある垂直尾翼の中央翼、水平尾翼のラダーも同じようにしんちゅう線で補強しないと強度が保てません。いや~手強いキットです(笑)。
■機体の赤は調色で
機体の赤色ですが、これがなかなか悩ましい色です。実機は失われているし、ブラジル・サンパウロ州にあるTAM航空博物館に現存している機体は復元された機体ですから機体色が正確なものかどうかわかりません。
イタリアの跳ね馬フェラーリであればイタリアンレッドでしょう! となるのですが、同じメイド・イン・イタリアであっても、飛行機モデルに塗ってしまうと鮮やかなイタリアンレッドはミニカー的な仕上がりになってしまうんですね(特にS.55の機体は木製でパネルラインがほとんどないので、赤いカタマリに見えてしまう)。
そこで今回、機体に塗装した赤は調色(Mr.カラー108番キャラクターレッドをベースに68番モンザレッドと33番あずき色を調色して彩度を抑えた赤)。仕上げも半光沢として、さらに動翼等のラインに僅かに影を入れることで、ベタな単色塗装にならないようにメリハリを持たせて塗装をしています。
■フロート裏側の色が分からない
艇体は側面に白ラインが入り、下側側面部分は黒に塗られています。また飛行艇のフロート(艇体)裏側部分は機体色と異なる塗装がされている場合が多いのですが、S.55の場合どうなっているのか分からなかったので、側面と同じ黒で塗装しています。