■おすすめはペン先がApple Pencilに似ているもの
さて、タッチペンやスタイラスペン、デジタルペンシルといった製品群は決して新しいものではなく、膨大な種類が存在します。家電量販店はもちろん、シンプルな製品ならば百円均一のようなショップでも見つかります。
こうしたアクセサリーをiPadで使いたい場合でも、用途によっては、安価な製品で十分に対応できるでしょう。例えば、指先の乾燥によるタッチ操作の反応しづらさを解消したかったり、キッチン周りで手を汚しながらもタブレットを操作したかったりするならば、安価なタッチペンがあれば十分です。
一方、Apple PencilのようにiPadで手書きのメモやノートを取りたかったり、簡単なイラストを描きたいと思っている場合には、書き心地や、傾き検知機能などにもこだわる必要が出てきます。そのためスタイラスペンの選択肢は、自然と絞られてきます。
ここで知っておきたいのは、「ペン先」の形状についてです。大きく3つのタイプの製品が存在します。ペン先が導電繊維を丸く整えて作られているもの、透明の円盤を備えたもの、ペンのような円錐状のものです。
どれを選ぶべきかという回答は、想定用途に対する機能・使い勝手などの相性や、価格のバランス、使用者の好みなど、さまざまな要素が絡んできます。しかし、筆者のおすすめは円錐状のものです。
特に、ペン先は金属ではなく、Apple Pencilと同様に樹脂製であるものを選んでおくとよいでしょう。こうした製品は、多くの場合Apple Pencilと同様に充電が必要になりますが、書き心地が優れています。
ECサイトなどで検索すると、さまざまな製品がヒットします。その中からペン先の形状が純正のApple Pencilに似ているものを探してみてください。執筆時点における大まかな相場は2000〜4000円といった印象です。純正のApple Pencilが1万4880円〜1万9880円なので、価格の差は歴然です。
■Apple Pencilと差がないわけではない
昨今は、サードパーティ製品でも、外見を含めてApple Pencilにそっくりな選択肢が増えてきました。しかし、純正品と機能が全く同じというわけではありません。
具体的には、マグネットで固定できるかどうか、有線ケーブルでの充電が必要かどうか、電源のオン・オフ操作が必要かどうか、筆圧感知機能があるか、といった差があります。
よく見かける仕様は、第2世代のApple Pencilと同じように対応iPadの側面にマグネットで固定できるものの、充電はUSBケーブルを接続して行う必要がある、というものです。また、使用時には、ペン軸の頂点などをタッチしたり、マグネットの着脱をしたりして電源をオンにする必要があるため、接続して使用を開始するまでに時間がかかることもあります。
また、書き心地については、筆圧感知の有無が影響してきます。Apple Pencilでは、ペンの傾きや筆圧が、描く線の濃さや太さに反映されます。しかし、現在のところサードパーティ製のスタイラスペンでは、傾きのみをサポートしているのが一般的。筆圧を反映できる製品はほぼないと考えてよいでしょう。
そのため、日常的に高い頻度でペンを使いたい場合や、iPadで凝ったイラストを描きたいと考えている場合などには、純正のApple Pencilを選んでおいた方が良いと思います。一方、電子サインをしたり、たまにノートアプリに情報をまとめたり、と月に数度程度しか使わないような想定ならば、サードパーティ製品でも十分活躍するはずです。
* * *
サードパーティのペン製品は、万人におすすめできる選択肢ではありません。しかし、想定する用途によっては、コストを抑えられることも事実です。導入時にApple Pencilを諦めた人も、一度検討してみると良いでしょう。
<文/井上 晃>
井上 晃|スマートフォンやタブレットを軸に、最新ガジェットやITサービスについて取材。Webメディアや雑誌に、速報、レビュー、コラムなどを寄稿する。Twitter
【関連記事】
◆メールチェックを時短化するための3つのテクニック|iPad Hacks
◆Apple Pencilを買ったら試したい5つの基本ペン操作|iPad Hacks
◆iPadでのテキスト選択操作のキホンとスムーズに行う秘訣|iPad Hacks
- 1
- 2