■いざ製作スタート! まずはティラノサウルスを作る
まずは昨年に発売されたティラノサウルから製作を進めていきます。
製作は頭部、胴体、足といった順番でサクサクと組むことができます。キットは獲物に飛び掛かる瞬間の体を折り曲げた姿勢が正確に再現されており、ティラノサウルスの骨格構造が「腹骨(腹肋骨)が皮膚と連動し、よじれや密着するような形状がこうなっているんだ」と理解できます(正しい科学プラモデル!)。
キットのままでも良いのですが、第2弾として発売されているトリケラトプスと組み合わせて恐竜の対決を再現するつもりなので、ティラノサウルスのポーズには手を加えていきます。
■イメージはヒューストン自然科学博物館のレインvs.スタン
昨年夏にパシフィコ横浜で開催された『恐竜科学博ラミディア大陸の恐竜物語』において、ヒューストン自然科学博物館が所蔵している世界で最も有名なトリケラトプスの化石、通称LANE(レイン)と、1992年にほぼ完全な状態で発掘されたSTAN(スタン)と呼ばれるティラノサウルスの骨格化石が公開されました(当然ながらそのスタンとレインに会いに行きました!)。そこで観たレインに襲い掛かろうとするスタンの躍動感のある展示をイメージソースにレインvs.スタンのジオラマの製作を進めていきます。
■意外に古くからあった恐竜プラモデル
日本での恐竜プラモは、昭和40年代の怪獣ブームの際にいくつか発売されていました。当時は恐竜と怪獣も一括りの扱いだったと記憶しています。当時怪獣ブームのきっかけを作ったのが映画『ゴジラ』(1954年公開)になるわけですが、劇中で山根博士が「ゴジラは二百万年前の海棲爬虫類から陸上獣類に進化する過程の生物」と言っているので、当時の子供は怪獣=恐竜と擦りこまれております(笑)。ちなみにゴジラのプラモデルは1964年にマルサンが発売していました。さて怪獣プラモは脇に置いて恐竜プラモの話に戻りましょう。
1960~’70年代当時、恐竜プラモといえば海外製一択でした。オーロラ(アメリカのプラモデルメーカー)がティラノサウルスやプテラノドン、トリケラトプスやマンモス等をプラモ化しており、日本でも販売されていました。
オーロラは1977年に倒産しましたが、モノグラム、レベルが金型を受け継ぎ、恐竜プラモは長く発売されています。少年時代に憧れた恐竜プラモは…海外プラモということもあってそれなりに高価で、子供のおこづかいではおいそれとは買えない、言うところのガラスケースのプラモデルでした(遠い目)。
※ガラスケースのプラモ 一昔前は、高価なプラモデルや海外製のキットは模型店の棚ではなく、ガラスケースの中に並べられていて、子供には触ることができない、触らせてくれない憧れのプラモデルだったんですねぇ。
次回はトリケラトプスを製作します、お楽しみに!
>> [連載]達人のプラモ術
<製作・写真・文/長谷川迷人>
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