簡単フィニッシュ塗装で化石のリアルな質感を再現【達人のプラモ術<恐竜骨格模型>】

■スミ入れ塗料使用時の注意

キットの素材は、スミ入れ塗料(エナメル塗料)が浸透すると細いパーツや関節のつなぎ目などが破損しやすくなる傾向があります。そこで破損を防ぐために、作例ではスミ入れ塗装の前にラッカー系塗料のフラットクリアーでオーバーコートしています。ラッカー系は匂いが苦手という場合は、水性のトップコートでも構いません。これでパーツの破損を防げます。

▲スミ入れの前にフラットクリアーで全体をオーバーコート塗装しておこう

▲GSIクレオス「Mr.ウエザリングライナー」(3本セット:各550円)AFVモデル泥汚れや錆の表現に使用する。イメージとしては水彩色鉛筆。鉛筆状なので細か表現もやりやすい。薄く伸ばしたりグラデーションをかけるには水性ホビーカラー用薄め液が必要。ただし定着しないので、仕上げとして水性トップコートでのオーバーコート塗装が必要

▲タミヤ「タミヤスプレー TS-80フラットクリアー」(770円)使用することで均一な艶消し塗装面を得られる。今回はスミ入れ塗装の下地と仕上げで使用

▲フラットクリアーでオーバーコートしたトリケラトプス。プラスチックのツヤがなくなりこれだけでも質感がぐっとリアルになる

 

■スミ入れ塗装のコツ

スミ入れ塗料はもともと希釈されているので、そのまま筆で塗装すれば良いのですが、今回のような化石に刻まれた凹凸では、強く陰影を付け過ぎると逆に不自然になってしまいます。なので、使用に際してはスミ入れ塗料のビンを15分程度置いて、含まれている顔料を沈殿させ、あえて上澄みを使用します。そうすることで、必要以上に色が濃くならず自然な仕上がりを得られます。塗装後濃くなりすぎた場合は、エナメル溶剤を含ませた綿棒で拭き取ればOKです。

▲トリケラトプスの頭へのスミ入れ塗装。左側が未塗装の状態、右側がスミ入れをした状態。パーツの凹部分に暗い色が入ることで、陰影が強調されているのが分かる

▲スミ入れ塗料は攪拌しないで上澄みを使用するのがリアルに仕上げるコツ

▲濃くなり過ぎた場合やはみ出たスミ入れ塗料は、乾燥前に綿棒で拭き取ればOK

▲スミ入れは、塗るというよりパーツの凹部分に塗料を置いていく感じでやると、よりリアルな仕上がりとなる

▲タミヤ「スミ入れ塗料」(各396円)▲適度に希釈されたエナメル塗料で、パーツのモールドや凹部分に流し込める。今回はブラックを使用。グレイの他にブラウン、ダークブラウンなどもある。拭き取りにはエナメル溶剤を使用する

 

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