現在、一般向けに提供されている格安SIMには、大きく分けてNTTドコモの回線を使っているものと、auの回線を使っているものの2種類があります。「mineo」のように、どちらも利用できる格安SIMでは、使用予定の端末がどちらに対応しているかを最初にチェックしましょう。なお、こちらの詳細は第3回で解説する予定です。
使う予定の端末で、SIMカードのサイズをチェック
SIM(シム)カードとは、スマホで通信を利用するのに必要なICカードのこと。このカードは大きい順に「標準/マイクロ/ナノ」の3サイズがあります。現在、一般的にスマホで使われるのは「マイクロ」と「ナノ」の2種類です。
例えば、iPhone 6sで使えるのはナノSIMのみ。SIMカードを入手するときには、まず使用する端末で使えるSIMカードのサイズを確認しましょう。一般的に、サイズ違いのSIMカードを購入してしまうと、交換するのに別途手数料が掛かります。
目的に応じてSIMカードの種類を見極めろ!
SIMカードは「音声通話対応・SMS対応・データ通信専用」の3種類に分けられます。それぞれ利用できる機能が異なっているので、使用目的に応じて選び分ける必要があります。
各SIMカードの特徴を説明する前に、ポイントとなる下記の機能に注目しましょう。
- 音声通話
- SMS
- データ通信
「音声通話」というのはいわゆる通話機能です。[090-xxxx-xxxx]という番号を使って、固定電話や携帯電話宛てに発信できます。
「SMS(ショートメッセージサービス)」とは、電話番号を使って短いメールを送受信する機能です。通信量を使いすぎたり、海外旅行に行ったときなど、キャリアからお知らせ通知が届いたりしますよね。アレです。
「データ通信」とは、インターネットを利用する機能です。地図アプリで道を検索する、メールを送受信する、YouTubeで動画を視聴する、などの行為は全てデータ通信を利用しています。
さて、それではSIMカードの違いを見ていきましょう。
データ通信専用SIM
「データ通信専用SIM」は、その名の通り「データ通信」しか利用できません。基本的には、SIMカードに対応したタブレットや、モバイルWi-Fiルーターで使う際に選ぶとよいSIMカードです。スマホで利用する場合には、アンテナ表示に問題が起きたり、電池消費が異常に早くなったりする可能性があるので、あまりオススメできません。また、FacebookやLINEなどのサービスを使う際には、本人確認の認証が「SMS」で送られてくることが一般的ですが、データ通信専用SIMは「SMS」に対応していないので、SMSを用いた認証が行えません。
SMS対応データ通信専用SIM
一方、「SMS対応SIM」はSMS機能を利用できます。データ通信専用SIMで発生する問題が解消されるので、スマホで使っても安心です。アンテナ表示や電波消費の問題は起きません。ただし、090・080・070などから始まる電話番号を使った音声通話は利用できません。通話を利用したい場合には、インターネット回線上で音声データをやりとりする「IP電話」アプリを使う必要があります。音声品質が劣り、110や119などに電話をかけられないデメリットがあります。月額利用料金は、データ通信SIMと比べると月130~150円前後高くなります(金額は税込換算、以下同)。
音声通話対応SIM
そして、「音声通話対応SIM」では、データ通信、SMS、音声通話の全てが利用できます。データ通信SIMと比べると、月額利用料金は700円前後高くなりますが、メインの端末として利用するなら、なるべくこちらを選びましょう。
SMSや音声通話機能は、MVNOによっては「オプション」という表記で記載されており、契約時に追加選択するようになっています。しかし、入手するSIMカードは、それぞれ根本的に機能が異なるということ。購入したデータ通信専用SIMに、あとからSMS機能を付け足すことはできないので注意しましょう。